【セミナーレポート】コロナ禍で求められるCXの変化と重要性

この記事は2021年2月16日に開催したオンラインセミナー「コロナ禍で求められるCXの変化と重要性」の内容をもとに作成しています。

コロナ禍で人々のライフスタイルが激変したことにより、これまでの顧客との接し方にも大きな変化が求められている現在、そのコミュニケーションをどう設計するべきなのか。
顧客エンゲージメント作り(CX設計)という課題について、何から始めるべきかの判断に迫られているなか、デジタルマーケティングの第一人者であるレジェンド・パートナーズの海老根会長と、リアルエンゲージメントを中心に取り組んできたドクターストレッチの黒川社長にご参加いただき、弊社代表取締役社長の安宅を交え、緊急セッションを開催。

目次

コロナ禍で求められるCXの変化と重要性

#1 コロナ禍による生活とビジネスの変化

コロナをビジネスへどう関連付けるか

海老根さん

コロナで出社せずリモートワークが増えている中で、会わないといけない人はリアルでも会っていませんか?
仕事でも私生活でも、リアルで会わなければならないシーンは誰しもある。
会わなきゃ話が進まない人、単純に会いたいと思う人。
オンラインの場合、仕事であれば発注先とはオンラインの方が話しやすい、多人数の場合はオンラインになってしまう。それぞれあると思う。
逆にオンラインでもない人(電話、メールなど)わざわざ会わなくていいし電話で済んじゃうパターンもあります。
そういった”人と会う”ということを、コロナをきっかけに気づかない間に分けてしまっていると感じているんです。

海老根さんの考える人との接し方の3軸
【1.リアル 】会わなきゃ話が進まない、会いたいと思う人
【2.オンライン】 大人数の場合、長時間の会議、顔見ながら話したい時、発注先
【3.その他(電話など、メール)】会わなくていいしオンラインでやらなくていい、短時間で済むケース

海老根さん

コロナの前にはどんな案件でもリアルで会っている。その会ってる時間でコントロールしていた。
ただ、コロナ後はリアルで会うことと、オンラインでやること、オンライン以外で済ますこと自然と分けてしまうだろう。
それは、”マーケティングにも同様なことが言えるのではないか”と僕は考える。

コロナ禍で企業が考えるべきマーケティングとは

海老根さん

コロナ以前は”こういう人が買い、こう使うだろう”で売っていた。
しかし、今は使う頻度やシーンを改めて人は分けてしまっている。
それが人の生活に侵入してきたコロナという”概念”である。
既に、巣ごもり需要により市場や人々の生活に変化が起こっていることは明らかだ。
自宅での生活を充実させることや効率化を求める動きがある。
逆に外出の機会が減り、化粧品や洋服など外出時に使用するようなものは売れ行きが悪くなっている。当然密を避ける動きやマスク、消毒が当たり前になっている。
代表的なものを言いましたが、これらも既にコロナで変化し、当たり前となったものである。
マーケティングとしては、使われるのが当たり前のものがなくなり、逆に使われるものを生み出さなければいけない。企業はより一層、考える必要があると思う。

顧客の定義の変化とこれからの顧客との付き合い方について

海老根さん

コロナ禍の前と後では、顧客をグループ化する考え方は違う。定義そのものが変わっている。
しかしその定義を考え直すにはいい機会が来たなと私は思う。
自社のマーケティング効果ってなんだろう。効果の再設定をどうするか、それを各企業が必ず考えなければいけないこと。
効果とはなにか・・・

海老根さん

事実として1つ言えることは、前の時代と今の時代、キーとなるのは”濃い”顧客である。
“濃い”の定義をどうするか、それも必要だが、その”濃い”顧客は絶対に手放しては行けない。これは事実である。
そんな中で、それ以外の顧客(ライト層)をどうするか、”濃い”顧客を含めCRMという観点でどうするかは各企業考えることだと思う。
効果の定義は変わってきている。顧客のセグメントの定義は変えるべきだ。

#2 コロナ禍で新規顧客の獲得と既存顧客の醸成を両立させる秘訣

ドクターストレッチは日本全国で150店舗、海外にも展開しているストレッチ業界の最大手。

会員数は70万人超。30代~60代の幅広い顧客を獲得している中で、コロナ禍でのリアル店舗とデジタルの両立の秘訣を語った。

コロナ禍での新たな顧客開拓

黒川さん

2020年4月~5月の緊急事態宣言を受け全店を一時休業、6月から営業再開するも17%の既存顧客は結果戻って来なかった。
ただ、9月頃から急に売上が跳ね上がったんですよ。
それが新規のお客さんでした。僕たちの見立てなんですけど、
いくつかポイントが有りました。
マーケティング的に言うと1つはSNSがすごく効いたと思ったんですよ。
なぜかというと、多くのスポーツジムとかが動画配信サービスを始めていた。
動画でトレーニングするタイプのやつ。ただ僕たちはそこには手はつけなかった。
自社からあえて出さなかったんですよ。
なざ出さなかったか。それは動画は人の見てる時間の取り合いなだけで、
ライバルは同業者だけじゃない。いろんな動画配信サービスがライバルになる。
更に2000人のスタッフを養える事業にはならないと判断した。
更に動画を上げる人って個人が多い。法人である我々の強みを活かしきれないと思った。

海老根さん

それはいい話ですね。動画サービスは他の動画サービスと戦う。
業界のライバルと戦いになるわけではない。だから見られないのだと。

黒川さん

そうです。「見る時間」のコンテンツはレッドオーシャンになりつつある。
なので参入しなかった。じゃあなんで新規が伸びたのか。
僕らは社員にSNSを推奨してるんですよ。各々が個人のアカウンでTwitter、インスタ、tiktokも400人以上がやっている。
そこで、自粛中に発信していたものは、ストレッチ講座の動画でした。
更には、それは業界的にブームになっており、いろんな会社や有名人、トレーナーが
動画を上げていました。多くの人が目にしたことだと思います。
しかし、動画を見てやってみても中々上手く行かないことが多い。そこで実際のトレーナーの指導を受けることへの意欲とストレッチへの興味関心が醸成され、店舗への来店につながった。
加えてマスクをした状態でもストレッチはできるという手軽さも魅力となったのだと思う。
正直コロナのおかげと言える。
広告も増やしてない中で、世の中の流れ的に偶然、ストレッチ動画のブームが来た。

海老根さん

実際に来たお客さんはどんな感じの人なんですか?

黒川さん

動画を見てストレッチはいいものだということは知っていたが、実際にやったことない人が圧倒的に多かった。
結果17%の顧客が減ったまま、新規顧客が増えて、過去の売上を超えている。

詳細な顧客データの保持と活用

海老根さん

ちなみに離脱した17%の顧客の共通点はある?

黒川さん

あります。職業が大きく影響している。医療従事者と国関係の仕事をしている人は、来なくなっている。

ー海老根さん

海老根さん

データとかちゃんと取ってるんですね。

黒川さん

はい。詳細に取っています。基本データはもちろん、個々のトレーナーの力量にも寄るが、お客様がどんな人か会話で喋ったことも記録しています。
なぜそこまで行うのか、理由は私はビジネスを始める上で1つ決めていたことがあります。
それは顧客のデータが取れないビジネスはやらないということ。
サービス業はヒューマンエラーが頻繁に起こる。そんな時に顧客データがないと
リカバリーが出来ない。謝ることも不可能。
やればやるほどシュリンクしてきてしまい、顧客はどんどん離れていってしまう。
そうならないためにもお客様との関係性を構築しなければならない。

ドクターストレッチが行うコロナ禍でのCRMとは

黒川さん

コロナ禍ではっきりと答えが出たのは、
いかに”顧客の不利益で利益を上げないこと”
顧客のメリットで利益を上げることが必要。
じゃあどうするか、回数券の未使用率をなくすことに注力している。
売れるだけ売るだけでなく、使ってもらう工夫をしている。

海老根さん

じゃあその回数券を消費させる工夫ってどんなことしてるんです?
そろそろ行きませんかの連絡とか?

黒川さん

LINE@の連絡や電話を行っています。
このままでは「回数券が切れちゃいますよ」とベタに各トレーナーが顧客管理の一環でお客様に連絡している。

海老根さん

じゃあ回数券を今何枚使ったかは分かっている?

黒川さん

もちろん分かっています。

海老根さん

既存のお客さんのグループ(セグメント)のくくりは?

黒川さん

年間いくら使ってくれてるかで、分けてはいますね。

海老根さん

ぶっちゃけ、例えば10万以上使ってくれる人と、100万使ってくれる人だとおもてなしは違う?

黒川さん

基本違いはないですが、ロイヤルな客には特別に、自宅派遣サービスを提供したりしている。
よりファンになってもらう活用をしている。
今後はそこをお客様に”見える化”していけるようなCRMの仕組みづくりをしている。
よりファンを増やす。
まとめると、僕らの商品って何かというと「サービスをいくらで何時間で何回売る」よりも、
お客様の身体に、来てよかった!という結果を出すことである。
そのある程度結果を出すところまで来てもらわないと本当のファンになってもらえない。
なので、そこにものすごくフォーカスしている。
顧客に満足してもらうために、顧客管理をしっかり行うということだ。

総評 顧客に寄り添ったCRM

顧客のデータを取りつつ、ロイヤリティを向上させファンにする。

いかに顧客の不利益で利益を上げないかといった課題で、良いサービスを与え続けるドクターストレッチの寄り添いは、コロナ禍でのCRMの先駆けとなる取り組みであったと言える。

株式会社オノフの提供するCRMも同様だ。

数値的なデータだけではない、顧客を徹底的に理解し、寄り添うことで与える新たな顧客体験価値設計を目指した取り組みである。

コロナ禍での新たなコミュニケーションとして、注目されていくだろう。

登壇者プロフィール

株式会社レジェンド・パートナーズ 取締役会長 海老根 智仁

1991年、大広に入社。その後、社会経済生産性本部(現在の日本生産性本部)にて経営コンサルタントとしてキャリアを積み、1999年、株式会社オプトに創業者の一人として合流。2001年同社代表取締役COO就任。2006年、同社代表取締役CEO就任。2008年、代表取締役社長CEO就任。2009年、同社取締役会長就任。
現在は退任し、様々なベンチャー企業への投資や経営に携わっている。

ドクターストレッチ 株式会社フュービック 代表取締役社長 黒川 将大

株式会社フュービック・代表取締役社長。高校卒業後にゴルフ専門店、自動車販売店の勤務を経て1993年に起業。2001年にリラクゼーション事業部を設立して「コリフレッシュ」1号店を開業。その後、リラクゼーションサロン「もみ処らく屋」、岩盤ヨガスタジオ「D-ja」を立ち上げ、2010年にはストレッチ専門店「Dr.ストレッチ」1号店を開業。「Dr.ストレッチ」は現在、上海・台湾・シンガポールにも進出。また、日本最大級のテニスポータルサイト「tennis365.net」やリゾートホテル「THE SCENE」の運営も行うなど多方面に事業を展開。

株式会社オノフ 代表取締役 安宅 正晴

2000年にWEB制作会社を創業し、企業のキャンペーンサイト制作をメインに多数手がける。2014年には伊藤忠食品のファンコミュニティ「みんなのプロジェクト」の営業譲渡を受け、リサーチ事業を展開。それにより、マーケティングに基づくクリエイティブや戦略を打ち出し、事業を拡大させる。現在は市場の変化にあわせ、リード型広告の制作運用から、商品・サービス購入後の顧客体験価値(CX)の設計運用へと事業を転換。アフターコロナにおいてのコニュニケーションのあり方を見つめ直し、アナログとデジタル双方向でのアプローチを展開する。

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