フェムテックへの期待 ~生理の貧困 「貧しいかそうでないか」を超えてしまおう~

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今回は弊社の女性ライターが書いた、記事をご紹介します。諸事情により、名前を表に出せないスタッフもいますので、その場合は今後も編集長の私が代理で紹介いたします。

それでは最後まで読んでいただければ幸いです。

目次

生理の貧困 「貧しいかそうでないか」を超えてしまおう

人間の体の仕組みは変えられない

洞窟に壁画を描いていた先史時代から数万年、クレオパトラがカエサルを翻弄した時代から2000年以上、イギリス産業革命から200年以上、日本で女性が参政権を得てから70年以上経ちますが、相変わらず女性は生理による心身の不自由から解放されずにいます。

日本の生理用品はそれはそれはすばらしく、吸収力、肌触り、形状のバリエーション、着用感において群を抜いています。

日本人として誇らしい品質ですし、手の届くところにあるのは大変ありがたいのですが、それはあくまで「商品」であり、お金と引き換えにしなければ手に入りません。

しかも、この素晴らしい商品を使っても、生理そのものからは解放されません。

10代前半で初潮を迎えてから50歳前後で閉経するまでの間、生理がない時期というのは、妊娠中くらいのものです。

概ね、4週間のうちの1週間ですから、職場の女性の1/4は「生理なう」かもしれませんね。

(絶対にそんな目で女性を見てはいけませんし、口に出してはいけません!)

テクノロジーの限界

機能的で快適な生理用品、生理周期や体調を把握するためのスマホアプリなど、フェムテックのおかげで少しは快適な生理期間を過ごせるようになったかもしれません。

でも!欲を言うなら! 

生理そのものをテクノロジーで管理できれば、それこそフェムテックと呼べるのかも。

しかし生殖と倫理の問題ですから、その方向での発展はないでしょうね。

海外は一歩先に進んでいる

2020年、イギリスのスコットランド議会が、生理用品を無料提供する法案を ”全会一致で” 可決したそうです。

全会一致。すごい。

可決当時とは少し異なるかもしれませんが、2021年8月現在のスコットランド議会の構成を調べてみると、男性議員71名、女性議員58名です。

おそらく当時も男性が過半数だったと思われます。

社会の成熟を感じます。

法案を提出したのは女性議員で、スコットランドは首相も女性です。先日再選されて、現在2期目をお務めです。

フランスでは、フェミニスト団体の署名活動などによって、生理用品の税金が20%から5.5%に引き下げられ、2020年には、学生や生活困難者などを対象にした生理用品の無料配布が始まっています。

ニュージーランドでは、2021年6月からすべての学校で生理用品を無料提供しているそうです。

ニュージーランドのアーダーン首相は女性です。

このほか、カナダ、イギリスのイングランドでも同様の取り組みが始まっています。

議案提出、フェミニストの署名活動など、スタートは女性主導のようですが、男性の理解があったからこそ前進してきたのです。

生理の貧困という現象は、本当に存在するのか

貧困によって生理用品を購入できない女性は存在します。

実際に見聞きしたことがある人は少ないでしょう。

そもそも、女性は自分が生理中かどうかさえ常に隠してきました。

女性ホルモンが心身を巻き込んで暴れまわる月例行事を、何食わぬ顔でやり過ごしています。

生理に関するトラブルは程度・種類ともにさまざまで、多くの女性が体験しています。

無月経、過多月経、生理不順、貧血、PMS(月経前症候群)による心身症状、痛みだけとっても程度も部位もバリエーション豊富です。

パートナーや友人ならまだしも、同僚や知人のレベルでは話題に上りませんよね。そういう風に育てられてきましたし、もちろんプライバシーでもあるし、「みんながそうしているから」空気を読んで生きている、という一面もありそう。

周囲にいる女性の誰もが、話題にもせずに粛々と対処してきています。

もしお金がなくて生理用品を購入できなければどう対処するか。

インターネットで検索すれば、いろいろな切実な方法が出てきます。

でもスマホ代は払えるんでしょ? かわいい服着てるよね? お化粧もちゃんとしてるのに?

ちがうんです。隠されるべきことだから、後回しにしてしまうんです。

生理の貧困は現象である

貧困の理由はさまざま。

収入が少ない、失業中であるなど、単純にお金がないこともあるでしょう。

また、親や夫によるネグレクトや過度な管理が理由で、購入するお金を捻出できない人もいます。

父子家庭で相談できるような関係ではないとか、そもそも親が養育を放棄しているとか、夫がすべてを管理しているとか。

いろいろな背景がありますが、現象はひとつです。

「毎月絶対に必要になる生理用品を購入できない」

この現象を「頭痛」という症状に置きかえて考えてみます。

頭痛の理由や背景はなんでしょうか?

風邪をひいている?

二日酔い?

クモ膜下出血?

敷居で頭をぶつけた?

肩こりが原因?

いろいろ考えられます。痛みの程度も深刻さも違います。

根本的にこの「頭痛」を治そうとしたら、

そもそも風邪なんかひかないように

もうお酒やめなよ

手術

敷居を高くする工事

今の仕事辞めたら?

など方法もさまざま。

生理の貧困についても、理由や背景は複雑かつパーソナルなので、一律の解決も根本的解決も困難です。

対症療法というシステム

しかし、「現象」に対しては、対症療法があります。

単純に言ってしまうと、「頭が痛いときに頭痛薬を服用する」ような対症療法です。

それは、生理用品を必要としている人が無料で購入できるようにすること。

いわゆる男女雇用機会均等法は、前身となる1972年の法律からまもなく50年です。

時代とともに、社会の成熟とともに、法の内容は充実してきました。

今、女性の社会進出を一層進めようとするなら、女性間の機会の不均等に注目する余地があります。

そして、本当に不均等を撤廃するには思い切った攻めのアクションが効きます。

学生とか、社会人とか、お金があるとかないとか関係なく、自分の経済状態を説明する必要すらなく、無料の生理用品にアクセスできる社会システム。

でも市場競争を必要なものですから、消費者が、店頭で、予算と目的と効果を比較検討して選べるようなシステムが必要です。

誰が費用を負担するのか

では、誰がその費用を負担すべきでしょうか。

もちろん受益者ですよね。

直接的には、商品を使用する女性が受益者ですが、生理の貧困が女性の学習機会と就業機会を奪うことを考えると、間接的には私たちの未来そのものが受益者です。

誰も損をしないし、不公平でもありません。

そして、こうしたアクションは、男性間にも何か別の不均等があるかもしれない、という視点にリンクします。

前述した諸外国のムーブメントは女性が主導でしたが、男性の理解と協力があってこそ成り立つものでした。

生理の貧困と同じような、男性特有の「現象」があって、社会へアクセスする機会に不均等があるのかもしれない。

そこに目を向けて理解に努め、解消に向かって進めるような社会へ前進していけるのではと思います。男性女性双方からの、互いを思いやってのアクション。すばらしいと思いませんか。

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