こんにちは。ライターの杉山です。
以前「デプスインタビュー」の記事を書かせて頂きましたが、今回は「グループインタビュー」の記事を書かせて頂きます。
グループインタビューをこれから取り入れようかなと考えている方の参考になる記事になればと思います。
グループインタビューとは?
メリットや調査の進め方、メリット・デメリットを解説

グループインタビューとは、モデレーターが共通した属性を持つ3-6名程度の対象者に対して質問し、自由に発言をしてもらう形式の定性調査の一種です。時間は60~120分程度で行われることが多いです。消費者と直接対面することが最大の特徴で、消費者の生の声を収集することができます。またグループ形式であるため、その相互作用で意見が活発になりやすく、多くの意見を収集しやすいというメリットもあります。
グループインタビューの流れ・進め方
次にグループインタビューをどのように進めていくかをご説明させて頂きます。
1.調査課題や目的の明確化
調査を始める前に調査の課題や目的を明確にします。そして仮説を立ててその仮説をもとに調査を設計していきます。
2.スクリーニング
次に調査対象者を選定する条件を決めていきます。調査目的と課題を達成するためにはどのような対象者が望ましいのかという観点から、条件を決めていきます。
3.対象者選定
調査対象者の条件が決まったら、調査目的や課題などにもよりますが、2〜6グループほど構成できるよう調査対象者を選定することが良いでしょう。
4.インタビューフローの作成
対象者を選定する作業と同時に、調査目的や課題を達成するためにインタビューを滞りなく進めていくシナリオの作成を行います。
グループインタビューは調査対象者たちが自由に話し合いをしますが、ある程度の流れを決めておかないと大きく話題がそれてしまうこともあります。そこで、あらかじめどのような質問をするのか決めておきます。
インタビューフローの作成のコツは、以下です。
質問を洗い出す
質問の優先順位をつける
質問にかける時間を設定する
調査関係者の間で合意する
インタビューフローの作成の参考にして頂ければと思います。
5.グループインタビュー本番
調査対象者の言動から、商品の開発や改善、マーケティング施策の見直しに役立つ情報を収集しましょう。
6.分析
グループインタビューが終了したあとは、モデレーター(グループインタビューの司会者)から集約した意見の報告をもらい、分析を行います。
調査会社から受け取るデータは分析結果がわかりやすくまとめられているため、すぐに商品の開発や改善、マーケティング施策の見直しに役立てられるでしょう。
グループインタビューのメリット・デメリット
グループインタビューにおけるメリットとデメリットについてご紹介します。
メリット
・消費者の本音を得ることが出来る
・意見交換による相互作用が期待できる
・デプスインタビューよりも短時間、かつ安価に大勢の意見を集められる
メリットとしては調査対象者同士が対面で話し合う手法であるため、直接消費者の本音を聴くことが出来たり、グループインタビューであることから他の消費者と意見交換していく中で、対象者の潜在意識が呼び起こされることが期待できます。また、デプスインタビューよりも短時間で多くの意見を集められることが特徴です。
デメリット
・必ずしも本音を探れるわけではない
・モデレーターの技量によっては、必要な情報を得られないこともある
・日程調整が難しい
・グループ内の発言が多い対象者に引きずられて意見が偏りやすい
・機能しない対象者が現れる可能性があること
デメリットとしては、必ず調査対象者の本音を探れるという保証はないです。意見をよく発する消費者に圧倒されて自分の意見が言えなくなったり偏りが生まれる可能性があります。またモデレーターの技量によって、必要な情報を得ることが出来ない場合もあります。もっと掘り下げるといい話が聞けたような場合でも、モデレーターが次々と機械的に質問を投げかけるだけであれば、調査対象者の本音は探れません。
グループインタビューのおすすめのやり方
一般的にグループインタビューは直接対面するオフラインの場合が多いです。
場の雰囲気を感じることが出来たり、参加者に対する親近感が湧いたりと、オフラインで行うメリットは多くあります。
ただしオフラインで行う場合、膨大な費用がかかってしまったり、日程調整が難しいということもあり、加えて新型コロナウイルス感染症対策としてグループインタビューはオンラインで行うと方法もあります。
デプスインタビューとグループインタビューの違い
デプスインタビューとグループインタビューの最大の違いは“1回で行う調査の対象者人数”です。デプスインタビューはインタビュアーと対象者が1対1で対話を行い、生活実態や購買行動を深堀していく調査方法です。一方グループインタビューは、複数人が同じ空間で意見交換をしていく調査方法であり、様々な消費者の意見を素早く集めることが出来ます。グループインタビューは“素早く多くの意見を拾いたい”“異なる意見に対する各人の反応を見たい”“仮説を幅広い観点から検証したい”等の課題がある際に向いている調査となります。デプスインタビューは“デリケートな情報を収集したい”“他人に意見を左右されずに、個々人の体験を詳細に深堀りしたい”等の課題があるときは向いている調査となります。
簡単ではありましたが、今回は「グループインタビュー」についての記事を書かせて頂きました。調査価格表もあるので、ご確認頂ければと思います。また無料相談も承っておりますので、お気軽にご相談ください。