第2回:GA4とサーバーログで暴く。LLMボットの真実とAIトラフィックの測り方

この記事でわかること
| • GA4で確認できるAI流入と、GA4だけでは見えない領域の違い • サーバーログでLLMボット(AIクローラー)を把握する方法 • GPTBot・OAI-SearchBot・ChatGPT-Userなど、代表的なボットの違い • 明日から自社サイトで実践できる分析の視点 |
前回は、AI経由流入は数(PV)だけでなく「熱量」で見るべきだとお伝えしました。ただ、その熱量を正しく測るには、GA4だけでは片手落ちです。ユーザーの行動データに加えて、AIボットそのものの動きを追う視点が欠かせません。
今回は、GA4とサーバーログという2つのデータを組み合わせて、AIトラフィックを立体的に見ていく方法を紹介します。「AIにどう見られているか」と「AIからどう送客されているか」は、似ているようで別の話です。この2つを切り分けて捉えられるようになることが、今回のゴールです。
GA4だけではAIの全体像は見えない
この章の要点:
GA4で分かるのは「AI経由で訪れたユーザー」の行動だけです。AIクローラーがサイトをどう巡回しているかは、GA4の外側にあります。
GA4を使えば、ChatGPTやPerplexity経由でサイトに訪れたユーザーの行動は確認できます。ですが、GPTBotやClaudeBotといったAIクローラー(AIがWeb上の情報を収集するために送り込むボット)が、実際にサイトをどう巡回しているかまでは、GA4だけでは追いきれません。
ユーザーの行動(GA4)と、AIの巡回行動(サーバーログ)は、別のレイヤーのデータです。この2つを分けて見ることが、AI時代の分析の出発点になります。

出典:Cloudflare公開データをもとに作成(2025年)https://blog.cloudflare.com/ai-platform/
GA4上で「AI経由流入」を探すときは、セッションの参照元/メディア(Source / Medium)を確認するのが基本です。「chatgpt.com / referral」「perplexity.ai / referral」のように、AIサービスのドメインが参照元として記録されていれば、そこがAI経由の入口だと判断できます。ただし、AIとの対話の中でリンクがそのままクリックされず、ユーザーが検索し直して訪問した場合などは、参照元が「google / organic」のように通常の検索流入と区別がつかなくなるケースもあります。GA4だけでは全量を捕捉しきれない、という前提を持っておくことが大切です。
LLMボットは3種類いる
この章の要点:
一口に「AIボット」と言っても、目的によって3つのタイプに分かれます。どのボットが来ているかで、意味合いが変わってきます。
LLMボットとは、ChatGPTやGeminiなどの大規模言語モデル(LLM)が、Web上の情報を収集・参照するために使うクローラーのことです。同じOpenAI系のボットでも役割が異なるため、一括りにせず、目的別に捉えることが重要です。
| 種類 | 目的 | 代表例 |
| 学習用 | 将来のモデル学習 | GPTBot / ClaudeBot |
| 検索用 | AI検索での参照 | OAI-SearchBot / PerplexityBot |
| リアルタイム取得 | RAG・オンデマンド取得 | ChatGPT-User |
簡単に補足すると、学習用ボットは今すぐの流入には直結しませんが将来の言及機会に関わり、検索用ボットは今まさにAI検索の回答づくりに使われている可能性が高く、リアルタイム取得(RAG:ユーザーの質問に応じてAIがその場でWeb情報を検索・参照する仕組み)は、ユーザーが今まさに自社について質問している最中に発生している、と考えると違いがイメージしやすくなります。
見分け方:User-Agentを確認する
どのボットがアクセスしてきたかは、サーバーログに記録される「User-Agent」という文字列で判別できます。たとえばGPTBotであれば「GPTBot」、ChatGPT-Userであれば「ChatGPT-User」という名称がUser-Agentの中に含まれる形です。文字列を丸ごと覚える必要はなく、「ログの中にこの名前が入っているか」を検索する感覚で十分です。
なお、表の3種類以外にも、押さえておきたいボットや設定があります。
• Applebot-Extended:Appleの生成AI機能向けに、Webコンテンツを収集する際に使われます。GPTBotなどと同じく、User-Agentとしてログに記録されます。
• Bingbot:検索エンジンとしてのBingの巡回に加え、Copilot(Microsoftの対話型AI)の回答生成にも関わっています。
• Google-Extended:こちらは少し性質が異なり、独立したクローラーではなく、robots.txtで学習利用の可否を制御する「設定用のトークン」です。実際のクロール自体は通常のGooglebotが行うため、サーバーログのUser-Agent欄に「Google-Extended」という文字列が現れることはありません。robots.txtに「User-agent: Google-Extended」「Disallow: /」と記述することで、GeminiアプリやVertex AI向けの学習・参照利用を個別にオプトアウトできる仕組みです(Google Search本体のクロールや検索順位には影響せず、GeminiなどのAI機能向けの学習・利用を制御する設定です。とGoogleは説明しています)。
こうしたボットも含めて「どのAIに、自社のどのページが見られているか」を把握しておくと、AIO・GEO対策の土台になります。
サーバーログで見えるAIの行動
この章の要点:
サーバーログを見ると、「どのボットが」「いつ」「どのURLに」アクセスしたかが分かります。ここにAIO改善のヒントが眠っています。
サーバーログとは、サイトへのすべてのアクセス(人間・ボット問わず)を記録したデータのことです。GA4がユーザーの行動を見るためのツールだとすれば、サーバーログはAIクローラーを含めたすべてのアクセスの記録、という位置づけになります。

ログを見ていくと、404(ページが見つからない)へのアクセスや、robots.txt(サイトへのクローラーアクセスを制御する設定ファイル)周りの挙動など、GA4だけでは分からない改善ポイントが見えてきます。AIが誤ったURLを参照し続けていないか、重要なページがそもそもブロックされていないか、といった点は、サーバーログでしか確認できません。
サーバーログで確認したい主な項目
サーバーログには様々な情報が記録されていますが、まず見るべきは次の5項目です。
• アクセス日時:いつアクセスがあったか。巡回の頻度やタイミングの傾向をつかめます。
• User-Agent:どのボット(またはブラウザ)からのアクセスかを識別します。
• リクエストURL:サイト内のどのページにアクセスしたかが分かります。
• ステータスコード:200(正常)、404(見つからない)、301/302(リダイレクト)など、アクセスの結果を示します。
• リファラー:どこから遷移してきたかを示す情報で、AI経由かどうかの手がかりになることがあります。
ログの取得方法はサーバーやCDNの構成によって異なりますが、レンタルサーバーの管理画面から直接ダウンロードできる場合や、CDN(Cloudflareなど)の管理画面でアクセスログを確認できる場合が多いです。件数が多くなると目視での確認は難しくなるため、ログ解析ツールやBigQueryなどを使って集計する運用も検討するとよいでしょう。
実務で見るべきKPI
この章の要点:
GA4とサーバーログ、それぞれで見るべき指標を分けて押さえておくと、AI経由の成果と課題の両方が見えてきます。
| 領域 | 指標 | 見る理由 |
| GA4 | AI流入セッション | 成果への入口を把握する |
| GA4 | CV率・エンゲージメント | 流入の「熱量」を可視化する |
| サーバーログ | ボット巡回頻度 | AIにどれだけ認識されているかを把握する |
| サーバーログ | 404・301の発生状況 | AIへの誤情報提供(ハルシネーションの原因)を防ぐ |
この4つの指標を定点観測することで、「AIにどれだけ認識されているか」と「その認識が実際の成果につながっているか」を、両輪で確認できるようになります。
補足として、サーバーログ側の指標は、次のような形で簡単な割合に落とし込むこともできます。
• AIボット巡回カバレッジ率:(AIボットが巡回したユニークURL数 ÷ サイト全体の主要URL数)× 100
• AIボットエラー率:(AIボットのアクセスのうち404・5xxが返された件数 ÷ AIボットの総アクセス数)× 100
前回のブログで紹介した「AI参照セッションシェア」などのGA4側の指標と、この2つのサーバーログ側の指標を並べて見ることで、「AIに認識されているのに成果に繋がっていない」のか、「そもそも認識自体がまだ弱い」のか、課題の切り分けがしやすくなります。
AIOの視点で見る、今すぐできる改善ポイント
この章の要点:
ここまでのデータを踏まえると、AIOの観点で改善できるポイントが見えてきます。特別なツールがなくても、まず着手できることを整理します。

GA4とサーバーログを確認していくと、「AIに見つけてもらえていない」のか、「見つけてもらえているのに評価されていない」のかが見えてきます。前者であれば、まずrobots.txtでAIクローラーを意図せずブロックしていないかの確認が最優先です。後者であれば、第1回で紹介した構造化データやQ&A形式でのコンテンツ整理(PREP法など)に取り組む余地があります。
また、404・301が多く発生しているページがあれば、それはAIだけでなく人間のユーザーにとっても離脱のきっかけになっている可能性があります。サーバーログの改善は、AIO対策であると同時に、通常のユーザー体験の改善にもつながる、という点も覚えておくとよいでしょう。
ここで整理してきたのは、あくまで「AIに発見され、正しく認識される状態をつくる」ための土台づくりです。実際にAIの回答の中で比較・推奨されるかどうかは、価格や仕様といった比較可能性、そして商品・サービスそのものの競争力にもかかっています。この点については、連載の中であらためて扱っていきます。

今日からできるチェックリスト
□ GA4の「トラフィック獲得」画面で、ChatGPT・Perplexityなどの参照元があるか確認する(Source / Mediumに「referral」がついているものをチェック)
□ サーバーログでGPTBot・ChatGPT-User・OAI-SearchBotなどのアクセスがあるか探してみる(User-Agentで検索)
□ 404ページが発生していないか確認する(発生している場合は、リダイレクト設定や内部リンクの見直しを検討する)
□ robots.txtで、AIクローラーや学習利用の制御設定を意図せずブロックしていないか確認する(GPTBotが明示的に許可されているか、Google-Extendedの設定が意図通りになっているか)
□ 主要なページがAIボットに巡回されているか、ログ上で定期的に確認する習慣をつける
まとめ
AI時代の分析では、GA4だけでも、サーバーログだけでも不十分です。両者を組み合わせることで、「AIが見ている世界」と「ユーザーが実際に行動した世界」をつなげて理解できるようになります。
次回、第3回では「AIはなぜ『その会社』を選ぶのか。推論プロセスから逆算するブランド評価」を解説します。
よくある質問
Q1. GA4を見ていれば、AI経由のアクセスは十分に把握できますか?
A. 十分ではありません。GA4で分かるのは、AIの回答からクリックして実際にサイトを訪れたユーザーの行動だけです。GPTBotなどのAIクローラーがサイトをどう巡回しているかは、サーバーログでしか確認できません。
Q2. GPTBotとChatGPT-Userは何が違うのですか?
A. GPTBotは将来のモデル学習を目的に、時間をかけてサイト全体を巡回するクローラーです。一方ChatGPT-Userは、ユーザーがChatGPTに質問した際、その場でリアルタイムに該当ページを取得しにくるアクセスで、性質が異なります。
Q3. サーバーログはどのくらいの頻度で確認すればいいですか?
A. サイトの規模やAI経由の流入量によって変わりますが、まずは月1回程度、ボットの巡回頻度と404・301の発生状況をチェックするところから始めるのがおすすめです。傾向がつかめてきたら、頻度を上げていくとよいでしょう。
Q4. 404や301のエラーがAIに悪影響を与えるとは、どういうことですか?
A. AIが古いURLや存在しないページを参照し続けると、誤った情報をユーザーに回答してしまう(ハルシネーション)原因になり得ます。定期的に404・301の発生状況を確認し、リンク切れを解消しておくことが、AIに正確な情報を渡すことにつながります。
Q5. サーバーログはどこから取得すればいいですか?
A. 多くの場合、利用しているレンタルサーバーやホスティングサービスの管理画面からアクセスログをダウンロードできます。CDN(Cloudflareなど)を利用している場合は、CDN側の管理画面でも確認可能です。取得方法が分からない場合は、サーバー管理を担当している部署やベンダーに確認するのが確実です。
Q6. robots.txtでAIクローラーをブロックすべきか迷っています。どう考えればいいですか?
A. AIに見つけてもらい、引用・推奨されたい場合は、AIでの引用や推奨を期待する場合は、主要なAIクローラーを意図せずブロックしていないか確認することが基本です。になります。Google-Extendedのような学習利用の制御設定についても、オプトアウトするとGeminiなどでの参照機会を失う可能性がある点を踏まえて判断するとよいでしょう。一方で、会員限定ページなど学習・引用されたくない情報がある場合は、該当ディレクトリのみを個別にブロックするなど、ページ単位での使い分けを検討するとよいでしょう。
AI流入の分析・AIO対策のご相談はオノフへ
AI経由の成果を高めるには、GA4でユーザーの行動を確認するだけでなく、サーバーログからAIクローラーの動きも把握し、自社サイトの課題を整理することが大切です。
オノフのAIO支援は、戦略設計からコンテンツ制作、Webサイトへの実装・運用までを一気通貫でサポートしています。自社サイトの現状や課題を踏まえ、AIに情報が伝わりやすく、訪れたユーザーの行動につながるサイトづくりを支援します。
「AI経由の流入や成果をどう測ればよいか分からない」「データを見ても、どこから改善すべきか迷っている」とお考えの企業様は、ぜひお気軽にご相談ください。