今回は、分析手法のひとつ「9セグマップ」についてご紹介したいと思います。
インターネットリサーチを業務としている視点もありますので、どうぞご覧ください。
9seg(9セグ)マップとは?
『たった一人の分析から事業は成長する 実践 顧客起点マーケティング』という本にて紹介されている手法になります。
まず、すべての顧客を定量化・可視化するシンプルな方法が「顧客ピラミッド」です。

引用リンク:https://markezine.jp/article/detail/30846
上記の顧客ピラミッドの画像では、いかに上の階層に顧客を成長させるか、下の階層に逃がさないかなどをシンプルに考える際のフレームワークとして優秀です。
(例)
・一般顧客をロイヤル顧客にするための施策
・離反顧客を一般顧客にするための施策
・未認知顧客を認知・未購買顧客にするための施策 など
9セグマップは顧客ピラミッドの要素に、「次回購入意向(ブランド選好)」の要素を追加します。

引用リンク:https://markezine.jp/article/detail/30846
これにより自社の商品・サービスを分析し、細かく施策を考えるために役立てることができる、という手法です。
基本的に、データを見た際に、下から上に、左から右に、左下から右上に、増やしたいスコアの施策を進めることになると思います。
(例)
・次回購買移行がある一般顧客を、ロイヤル顧客にするための施策
・次回購買移行がない一般顧客を、次回購買移行を持たせるための施策 など
この9segマップという分析は、商品・サービス等のブランドを「顧客起点」で分析する形になります。
例えば「消極・認知・未購買」の層にはいかに購入してもらうか(=右にセグメントを進めて一般顧客に進んでもらう)ことも重要ですが、自社ブランドに「積極」的な層になってもらうためのアイデアやサービス(=上にセグメントを進めて積極層に進んでもらう)という施策も考えられるでしょう。
9se(9セグ)マップの利点
9se(9セグ)マップの利点
この9セグマップはこれだけでも優秀なのですが、インターネットリサーチを主な業務にしている筆者は別の利点からこの9セグマップを気に入っています。
それは「3問聴取するだけで、いい感じの分析アウトプットが作成できる」という点です。
この9セグマップをインターネットリサーチを利用した際に、必要な質問は下記になります。
(1問目_認知)〇〇の商品を知っていますか?
はい/いいえ
(2問目_購買行動)〇〇を購入したことがありますか?
1週間以内/1カ月以内などの尺度、購入したことがあるが現在は買っていない、購入したことがない
(3問目_次回購入意向)〇〇を今後も購入(利用)したいと思いますか?
はい/いいえ
設問を作る際に、複数の商品・サービス等のブランドを聴取できるので、自社・競合でだいたい10個程度の商品・サービス等のブランドを用意します。
あとはインターネット調査を実施し、集計の際にデータをこねくり回して分析し、商品・サービスの数だけ9セグマップを作成すれば完成です。
たった3問で説得力のあるデータが取れますし、この形は回答する側もそれほど負荷がかからないです。
数回しか作成していませんが、その取り回しの良さからとても印象に残っているのが、この9セグマップです。
出てきたアウトプットも、商品・サービス内でのセグメントごとの割合、各セグメントの商品ごとのスコアなど、分析を掘り下げるための素材を多く得ることが出来ます。
また、さらに深堀りするための「N1マーケティング」にもつなげることが出来ます。
N1とは n=1、つまり「たくさんの人数に聞くのではなく、1人の顧客を徹底的に分析する」ようなイメージです。
各層ごとに1人の顧客を徹底的に分析することで、9セグマップのセグメントを右上に進めるヒントが得られると『たった一人の分析から事業は成長する 実践 顧客起点マーケティング』著者の方は言います。
独自性のあるアイデアを得るためには、こういった顧客起点の分析が必要になります。
9seg(9セグ)マップのあとがき
以上となります。この9seg(9セグ)マップを利用しての分析は、自社のリサーチ業務に携わり始めた方が、何かのアウトプットを会社やクライアントに提出しなければいけなくなった時、ぜひ思い出して頂ければと思います。
他にも「最近いつも同じ調査ばっかりしているなぁ…」というような方にも、少ないリスクでアウトプット出来る、この9seg(9セグ)マップをオススメします。
最後に恐縮ながら宣伝です。インターネット調査などでご入用の際は、ぜひ弊社(オノフ)にお声がけくださいませ!