こんにちは。ライターの杉山です。
2022年最後の記事は「CAC」についてです。
初めてこの言葉を聞く方にも参考になる記事になればと思います。
顧客獲得コスト(CAC)とは?
CACとは、カスタマーアクイジションコストの略称で、一顧客獲得に要した営業・マーケティングのトータルコストを指します。つまり「顧客獲得単価」です。CACはSaaSやサブスクリプション型のビジネスでよく用いられ、適切なマーケティング戦略を策定するために欠かせない指標です。CACを把握することで、投資すべきマーケティングチャネルの見極めやユニットエコノミクスの算出が可能となります。またCACにおいては検索エンジンで調べたり、SNSのタイムラインに表示された記事のリンクから訪ねてくれたりしたノンペイド(広告費などをかけていない)のユーザ-も対象になります。CPAよりCACの方がより細かくユーザーを見ている(粒度が高い)ことになります。
顧客獲得コスト(CAC)の計算方法
次にCACの計算方法についてです。
“CAC = 新規顧客獲得に関する費用の合計 ÷ 新規顧客獲得数”で求めることが出来ます。
“新規顧客獲得に関する費用の合計に含まれる項目としては、「一定期間の販売促進・広告費用、営業給与、代理店手数料、賞与、間接費」があります。
CACは月間・四半期・1年などの期間で区切って算出します。月によって費用の変動が大きい場合は、四半期や1年など長めの期間で算出することがポイントです。顧客獲得に関する費用は、営業費用とマーケティング費用が主ですが、正確には人件費やオフィス賃料などの間接費も含む点に注意してください。
またCACがLTVを上回ってしまうと、当該事業の存続は難しいことが言えます。CACがLTVを上回るということは、一顧客あたりの生涯利益が5,000円のサービスに対して、一顧客あたりの獲得費用に5,001円以上を投じるということです。そのため、CACをLTVの3分の1以下にまで抑える必要があります。
顧客獲得コスト(CAC)を改善する方法
MAツールやCRM(顧客管理)システムを導入する
CACを抑える方法として、MA(マーケティングオートメーション)ツールやCRM(顧客管理)システムを導入することが考えられます。
MAツールやCRMシステムを適切に使うことで、顧客情報を一元管理し煩雑な業務を自動化することができます。したがって、マーケティング・営業活動が効率化でき、人件費などのコストを抑えられると考えられます。
コンバージョン率(CVR)をアップさせる
コンバージョン率(CVR)をアップさせる施策は、CACを下げることに直結します。コンバージョン率が高いほど、訪問者数に対して効率的に顧客を獲得できているということになり、結果としてCACが低くなります。
コンバージョン率を上げるには、よりコンバージョンに至りやすい見込み客を集めることが重要です。解析ツールを用いて、コンバージョンに至る導線、離脱に繋がっているページなどを洗い出し、最適化を行うとよいでしょう。ターゲットを絞ってピンポイントで広告を出したり、ユーザーの属性に応じて広告の施策を変えたりというアプローチもあります。
広告を最適化する
顧客獲得にかかるコストを下げるには、新規顧客獲得のための広告費用を最適化することも有効です。既存広告の見直しを行い、より効果の高い出稿先だけに絞り込むなどの施策が考えられます。
場合によっては広告出稿をやめ、検索などによる自然流入数を増やす施策を考えるという選択肢もあります。Organic CACの改善に成功すれば、長期的なコスト抑制が図ることが出来ます。
顧客獲得チャネル別の顧客獲得コスト
CACは顧客チャネル別に以下の3つに分けられます。
Organic CAC
広告などのコストをかけずに自然増加した顧客単価を指します。検索エンジンやSNSからの流入、クチコミ、既存顧客からの紹介といったチャネルから獲得した顧客が該当します。このような自然流入による顧客増加も少なくないため、CACを正確に測るためにはOrganic CACを見落とさないようにすることがポイントです。
Paid CAC
コストをかけたチャネルから獲得した顧客単価を指します。CMやインターネット広告、イベント開催や出展など、顧客獲得を目的として投資したあらゆる施策の費用が該当します。マーケティングや営業において顧客獲得施策の効果を測るには、CACの中でもPaid CACを指標とするのが適切です。
Blended CAC
Organic CACとPaid CACを合わせた総合的なCACです。事業全体の顧客獲得コストを評価するには、このBlended CACを算出します。通常、単にCACという場合はBlended CACを指すと考えてよいでしょう。
CPAとCACの違い
CPAとCACは「顧客獲得単価」を意味する用語ですが、両者は使われるシーンが異なります。CACは主にプロジェクトやマーケティングチャネル単位で使われます。それに対してCPAは、広告出稿費用など1つの施策あたりのコストを示す際に使われる指標です。CPAは主にデジタル広告の分野で用いられます。
今回はCACについての記事を書かせて頂きました。
弊社では無料相談も承っておりますので、お気軽にご相談ください。
来年も皆様にお役に立てる記事を書いていきたいと考えておりますので、引き続き宜しくお願い致します。