AISAS(アイサス)とは?AIDMAとの違いを解説
今回はマーケティング用語でよく聞くAISAS(アイサツ)やAIDMA(アイドマ)について解説します。
AISAS(アイサス)とは
AISAS(アイサス)とは、消費者の購買行動のプロセスを説明する代表的なモデルの1つで、インターネットにおいて、消費者が商品を認知してから購買に至るプロセスを表している用語です。
Attention(注意)→ Interest(関心)→ Search(検索)→ Action(購買)→ Share(情報共有)というプロセスそれぞれの頭文字を取ったものです。
もう1つ同じような用語でAIDMA(アイドマ)というものがあり、元々はこちらが先にあったものでこれまで主流とされていました。
Attention(注意)→ Interest(関心)→ Desire(欲求)→ Memory(記憶)→ Action(行動)の頭文字を取っており、「欲求」「記憶」に代わって、Eコマースにおける特徴的なプロセスの「検索」と「情報共有」が含まれています。
ちなみに、英語表記のAISAS(Attention Interest Search Action Share)は株式会社電通の登録商標です。
AIDMA(アイドマ)とは
アイドマ(AIDMA)も消費者の購買行動プロセスを説明するモデルの1つです。
英語表記は、AIDMA(Awareness Interest Desire Memory Actioin)。
Attention(注意)→ Interest(関心)→ Desire(欲求)→ Memory(記憶)→ Action(行動)の頭文字を取ったもので、標準的な購買プロセスとされています。
マーケティング担当者はこれらAIDMAやAISASといった消費者の購買プロセスを理解することによって、各プロセスごとの適切なアプローチが実践できるようになります。
同じようなモデルとして他にはAMTUL(アムツール)などもありますが、AIDMA(アイドマ)は消費者の短期的な購買行動を説明したものであると言われています。
AIDMAとAISASの違い
昭和から平成初期までの間、消費者は商品の情報について、新聞、テレビ、雑誌などマスメディアから受け取っていました。そういった時代において消費者の購買行動モデルは下記のような流れになっていました。
1.情報を見る、商品を知る(Attention)
2.商品を知り消費者が興味・関心を持つ(Interest)
3.感情的に商品が欲しくなる(Desire)
4.商品やブランド名を記憶する(Memory)
5.行動・購買する(Action)
この購買行動のモデルをAIDMA(アイドマ)と呼び、マーケティングの法則として広まっていきました。このモデルは、マスメディア広告が主軸の時代と合っていたのです。
ところが、2,000年代に入ってくると、このAIDMAモデルが大きく変化していきます。消費者は受動的ではなく能動的に商品情報を探すようになったのです。
さらに購買した後に下記のような行動を起こすようになりました。
1.情報を見る、商品を知る(Attention)
2.商品を知り消費者が興味・関心を持つ(Interest)
3.商品やブランドについて検索する(Search)
4.行動・購買する(Action)
5.購買した後に共有する(Share)
これが「AISASの法則」と呼ばれる購買行動モデルです。
比較して見るとわかる通り、3番目5番目の行動により能動的な検索(Search)と共有(Share)するという行動が加わっています。
2,000年代、インターネットが普及し、消費者の生活に検索する(Search)行動と共有する(Share)行動が加わったのです。買って終わりではなく、その後の感想や経験を共有し合っているのがAISASの大きな特徴となります。
消費者心理としては「買い物で失敗したくない」という心理がありますので、Yahoo!やGoogleに代表される検索サイトでの検索を行い、商品情報を吟味・比較し、ブログやSNS、ショッピングサイトの口コミを見て購入を検討するようになったのです。
ECサイトや比較サイトで、口コミや評価を投稿する機能が実装されたことで、共有(Share)しやすくなる仕組みが出来たことも大きいのです。
まとめ
今回はAISASについて、AIDMAとの違いを交えて、ざっくりとお伝えしました。今の時代はマス広告だけではなく、WebやSNSを使ったプロモーションが欠かせなくなっています。
それだけでなく、You TubeやTiktokといった動画がメインの媒体も増え、マーケティング担当の方はますます頭を悩ませることでしょう。
今回ご紹介したAISASのモデルがすべてに当てはまるかというと決してそうではありません。大量生産モデルや安価な商品、ファッション商品などはAIDMAが有効であるケースもあります。
商品の特性や価格帯、ターゲットの属性とその消費行動によって使い分けることが大切です。
商品やターゲットを十分に理解し、AISASもAIDMAも戦略に合わせてうまく使っていきましょう。