ペルソナとは

今回はペルソナの意味についてご紹介いたします。
心理学においてのペルソナの意味
ペルソナと聞くと大学時代に心理学を専攻していた私は、ユング心理学におけるペルソナを思い出します。
心理学においてのペルソナとは、自分の外的側面、すなわち「周りの人に見せる自分」を表します。そして私たちはさまざまな「顔」を演じながら、周囲の環境に適応しようとしているのです。簡単に言うと、家族に見せるふるまいと友達に見せるふるまいと会社で見せるふるまいとではそれぞれ違っていて、無意識のうちに使い分けているということです。
このペルソナという言葉は、心理学者のカール・グスタフ・ユングが提唱した概念です。古代ローマの古典劇で、演者が身につける「仮面」が語源だといわれています。(ちなみに、「ペルソナ」は、「パーソナリティー(個性)」の語源です。)先ほどの文章も家族なのか友達なのか会社の人なのかで仮面(顔・ふるまい)を使いわけていると言い換えることができますね。
マーケティングにおいてのペルソナの意味
この心理学において使用されていた「ペルソナ」という言葉がビジネスの場面でも使用されるようになったと言われています。
ただ、心理学でいうペルソナとマーケティングでいうペルソナとでは少し意味が違うので、改めてマーケティングにおいてのペルソナの意味をご紹介いたします。
マーケティングの文脈においてペルソナとは、自社の商品・サービスを利用する典型的なユーザー像を意味します。年齢や性別といった属性で絞り込んだ対象となるユーザー層を「ターゲット」と呼びますが、ターゲットよりもっと具体的な情報、例えばライフスタイルや趣味、価値観などプライベートな部分までを設定した、あたかも現実に存在する一人のユーザーのような形に仕立てたものをペルソナと呼んでいます。つまりペルソナとは、詳細に設定された架空の顧客プロフィールとも言えるでしょう。
ペルソナを設定するメリット
ペルソナを設定することで、以下2つのメリットが考えられます。
社内でのイメージの統一
ペルソナを設定することで、社内で顧客像のイメージを統一することができます。ターゲットだけではそれぞれ想像する顧客像が異なることがあります。そこで具体的であるペルソナを設定することによって、社内の関係者間で意識のずれを小さくすることができ、意思疎通やプロジェクトもスムーズに進めることができるのです。
訴求力を強める
ペルソナを設定することで、自社の商品・サービスを「いつ」「どんなシーンで」「どのように」使用したいと思うのか、ユーザーの行動心理を考えることができます。商品やサービスの評価を会社の目線ではなく消費者の目線で行うことによって、「どうしたら(どのように伝えたら)もっと売れるのか」を考えることができます。そこをアピールすることで訴求力を高めることができるのです。
