顧客目線で分析をするマーケティング手法「4C分析」とは？
今回はマーケティングミックスを策定する際に用いられるフレームワークのひとつである「4C分析」について解説します。4C分析は、4P分析を顧客視点に置き換えたもので、顧客のニーズや価値観を重視したマーケティングを行うことができます。
マーケティング手法の1つ「4C分析」とは
4C分析の4Cは、以下の4つの要素を表しています。
Customer Value（顧客価値）
顧客が商品やサービスから得られる価値
Cost（コスト）
顧客が商品やサービスを購入するために支払う費用
Convenience（利便性）
顧客が商品やサービスを入手・利用するための手間や労力
Communication（コミュニケーション）
顧客との意思疎通
3C分析との違い
3C分析という手法もありますが、3C分析は外部環境を分析することが目的となり、ミクロ環境での情報整理が目的です。3C分析は次の3つの要素において分析されます。
Customer（顧客）
どんなユーザーがターゲットになるのか、顧客のニーズを分析します。
業界の市場規模、成長性、顧客の購買行動といった市場や顧客の観点を即時性を持って把握することが重要となります。
Competitor（競合他社）
競合他社の市場シェアや展開している商品についてのほか、どのような評価を受けているかなどを分析します。競合他社ごとの情報を把握しつつ、業界全体としての動きも把握することが大切です。
Company（自社）
競合他社の市場の動きなどを踏まえ、自社の強みや弱みを把握します。自社の企業理念、特徴や戦略、商品群、資本力、リソースなどの様々な要素があります。
4C分析の活用方法
4C分析は、新製品や既存サービスのマーケティング戦略を策定する際に活用できます。また、競合他社の分析や、顧客のニーズを把握するためにも用いられます。
具体的な活用方法としては、以下のようなものが挙げられます。
新製品や既存サービスの開発
4C分析を用いて、顧客のニーズや価値観を理解することで、顧客にとって価値のある商品やサービスを開発することができます。
マーケティング戦略の策定
4C分析を用いて、顧客のコストや利便性などの観点から、適切なマーケティング戦略を策定することができます。
競合他社の分析
4C分析を用いて、競合他社の商品やサービスの顧客価値、コスト、利便性、コミュニケーションを分析し、自社の商品やサービスの開発・改善に活用することで、競合他社との差別化を図ることができます。
顧客のニーズ把握
4C分析を用いて、顧客のニーズや価値観を把握することで、顧客満足度を向上させることができます。
4C分析の事例
4C分析は、さまざまな業界で活用されています。
例えば、アパレル業界では、顧客のニーズや価値観に合わせて、デザインや機能性を追求した商品を開発しています。また、通販やECサイトの普及により、顧客の利便性を向上させるための取り組みも積極的に進められています。
飲食業界では、顧客のコストや利便性を考慮したメニュー開発や、店舗の立地やサービスなどを工夫することで、顧客満足度をより向上させる取り組みを行っています。
IT業界では、顧客のニーズや価値観に合わせて、使いやすいUIやUXを追求した製品やサービスを開発しています。また、チャットボットでのカスタマーサポートやSNSなどのコミュニケーションツールを活用することで、顧客とのコミュニケーションを強化しています。
4C分析のメリットとデメリット
4C分析のメリットとしては、以下のようなものが挙げられます。
顧客視点でマーケティングを行うことができる
4C分析は、顧客のニーズや価値観を重視したマーケティングを行うことができます。そのため、顧客の満足度を向上させ、売上や利益の増加につながる可能性があります。
マーケティング戦略の策定を効率化できる
4C分析を用いることで、顧客のニーズや価値観を把握し、マーケティング戦略を効率的に策定することができます。
競合他社との差別化を図ることができる
4C分析を用いて、競合他社の商品やサービスの顧客価値、コスト、利便性、コミュニケーションを分析することで、競合他社の特性を把握することで、自社商品と差別化を図ることができます。
そして、デメリットとしては以下のようなものが挙げられます。
顧客のニーズや価値観を正確に把握することが難しい
4C分析は、顧客のニーズや価値観を重視したマーケティングを行うフレームワークです。しかし、顧客のニーズや価値観は、時代や社会情勢の変化によって常に変化しているため、正確に把握することが難しい場合があります。
マーケティング戦略の立案に時間とコストがかかる
4C分析を用いて、マーケティング戦略を立案するためには、顧客のニーズや価値観を調査する必要があります。マーケティング・リサーチの専門会社への依頼やアンケート収集ツールを使用して自社で行ったりと、調査と分析には時間とコストがかかります。
調査対象や内容によっては専門性が必要となるため、マーケティング・リサーチを行う調査会社への依頼も必要となる場合も生じます。
まとめ
4C分析は、顧客視点でマーケティングを行うことができるフレームワークです。新製品や既存サービスのマーケティング戦略を策定する際に活用することで、顧客の満足度を向上させ、売上や利益の増加につながる可能性があります。
ぜひ自社の商品やサービスについて改めて4C分析を行なってみてはいかがでしょうか？
