クロス集計とは? ~種類やメリット・デメリット等について分かりやすく解説~
今回はクロス集計についてご紹介します。クロス集計の基本を簡単に分かりやすくまとめたので、最後までご覧ください!
クロス集計とは?
クロス集計は、2つ以上の質問項目の回答内容をかけ合わせ、回答者属性ごとの反応の違いを見るようなときに用いたり、回答データを細分化して把握できる集計方法のことを指します。
クロス集計の方法の種類
クロス集計は、集計したデータを細分化して把握できるため、あらゆる統計的調査で使用されますが、よく使われる分析手法の、「属性クロス集計」と「設問間クロス集計」、「多重クロス集計」という集計方法があるので、詳しくご紹介します。
属性クロス集計
属性クロス集計は、回答者の属性ごとに回答の傾向を比較する方法です。
「女性はどういう傾向にあるのか?」「役職によりどんな違いがあるのか?」といった違いを見たい場合に使われます。
【回答者属性の例】
・年齢
・性別
・職業
・居住地
・未婚/既婚
・家族構成
設問間クロス集計
設問間クロス集計は、属性以外の2つ以上の質問項目をかけ合わせて比較する分析方法です。
「このように考えている人は、どういう傾向にあるのか?」「ある習慣がある人にはどのような違いがあるのか?」といったやや複雑な問いを調査したいときに使われます。
属性クロス集計よりも調査設計が込み入ったものになりやすい傾向にあります。
【設問のかけ合わせの例】
・運動に対しての評価(好き/普通/嫌い)と運動する頻度
・サービスの使用頻度と満足度
・SNS利用率と商品の知名度
・音声メディアの利用頻度と通勤の所要時間
多重クロス集計
多重クロス集計とは、3つ以上の設問の回答データを掛け合わせる手法です。掛け合わせる設問が3つの場合は「3重クロス集計」、4つなら「4重クロス集計」といいます。
【設問のかけ合わせの例】
・年代、性別、サービスの満足度
・年代、性別、ある商品の購入意欲度
単純集計とクロス集計の違い
次に「単純集計とクロス集計の違い」についてご説明します。
単純集計は、データを一覧表にまとめることで「どのような回答をした人がどのくらいいるのか」を視覚的に分かるようにする集計のことを指します。
クロス集計は、単純集計で得た数値に対して、性別・年代などを掛け合わせてその違いを読み取ることができる集計のことを指します。そのため、単純集計がベースにあってのクロス集計となります。
ここから、単純集計とクロス集計の大きな違いとして、「分析に使うデータ項目の数」であることが言えます。
クロス集計のメリット・デメリット
<メリット>
・性別・年代・購入頻度といった分析軸の項目ごとに回答の傾向を知ることができる
・リサーチの結果を読み取りやすい・可視化されやすい
・表計算ソフトで簡単に作成することができる
・少ない集計回数でさまざまな視点が持てる
<デメリット>
・単純集計に比べて情報量が多い分、結果の読み取りに時間がかかる
・膨大なデータは分析コストが高い
・カテゴリーごとのサンプル数が一定数必要
クロス集計の注意点
最後にクロス集計の注意点をお伝えします。
・アンケート設計の段階でクロス集計を想定する
そもそも適切な設問が存在していなければ意味のある分析をすることができないので、調査の設計段階から「何を知りたいのか」という課題を明確にしておく必要があります。そのため、「どのような集計軸を組んだら分析が可能か」という点を考える必要があります。
・クロス集計後の項目毎のサンプルサイズに注意する
一般的に定量調査は、1つの属性につき最低30のサンプルサイズがなければ信頼性に欠けると言われていることもあり、30未満に満たない項目にならないために、前述した「どのような集計軸を組んだら分析が可能か」を決定した後「アンケート回答者数はどのくらい必要なのか」ということを前もって計算しておくことが必要です。
・分析軸を必要以上に多くしない
設問によっては、クロス集計を行ったが故にデータが分かりづらくなる場合があります。
クロス集計は単純集計がベースにあることを上記でご紹介しましたが、まずは単純集計で全体像を把握した上で、クロス集計で詳細を分析するという流れが重要です。
「とりあえずデータを細分化したら何か分かるかもしれない」という安易な考えでクロス集計を行うのは非常に危険ですので、注意しましょう!
今回は「クロス集計」についてご紹介しました。
クロス集計は、性別・年代・購入頻度といった分析軸の項目ごとに回答の傾向を知ることが出来たりと、様々な視点から分析をすることが出来るため、クロス集計に適した分析に使ってみてください!
弊社ではマーケティングリサーチを行っていますので、お気軽にご相談ください。