アンケートの4択形式|5択との違いや適切な使い分けを解説

こんにちは。デジタルマーケティングカンパニーのトウガサです。
アンケートを作成する際、回答の選択肢を4択にするか5択にするかで悩むことがあります。
4択は回答者の意見を明確に捉えやすい一方、5択は中立的な意見も拾える特徴があります。
この記事では、4択と5択の基本的な違いから、それぞれのメリット・デメリット、そして調査目的に合わせた使い分けの基準までを解説します。
適切な選択肢を設定し、より精度の高いアンケートを作成するための参考にしてください。
アンケートで使われる4択・5択形式の基本的な違い
アンケートでよく用いられる段階評価の質問では、4択や5択の選択肢が一般的です。
この二つの形式の最も大きな違いは、「どちらでもない」といった中立的な選択肢の有無にあります。
4択では肯定か否定のどちらかに回答を促すのに対し、5択では中立的な立場を示すことが可能です。
この違いが、回答の傾向やデータ分析の結果に影響を与えます。
肯定か否定かの回答を促す4択形式(4件法)
4択形式は、4段階の評価尺度を用いる方法で、4件法とも呼ばれます。
この形式の最大の特徴は、「どちらでもない」や「普通」といった中立的な選択肢を設けない点です。
例えば、「非常に満足」「やや満足」「やや不満」「非常に不満」のように、肯定的な意見と否定的な意見の選択肢のみで構成されます。
これにより、回答者は必ずどちらかの立場を表明することになり、集計した際に意見の方向性が明確になります。サービスの改善点を探るなど、賛否をはっきりさせたい調査に適した形式といえます。

中立的な回答も選べる5択形式(5件法)
5択形式は、5段階の評価尺度を用いる方法で、5件法とも呼ばれます。
4択形式との決定的な違いは、「どちらでもない」「普通」といった中立的な選択肢が含まれる点にあります。この選択肢があることで、意見が明確に定まっていない回答者や、設問に対して特に意見がない人も回答しやすくなります。
一方で、この中立的な回答に票が集中しやすく、データの傾向が不明瞭になる可能性も考慮する必要があります。顧客満足度調査のように、幅広い層の意見や感情の温度感を把握したい場合に適しており、多くのアンケートで標準的に利用されている形式です。

アンケートで4択形式を用いるメリット

4択形式をアンケートに採用することには、データ分析のしやすさという大きなメリットがあります。
中立的な選択肢を設けないことで、回答者の意図が明確になり、集計結果から具体的な示唆を得やすくなります。
ここでは、4択形式がもたらす分析上の利点について詳しく見ていきます。
回答者の意見が明確になり分析しやすい
4択形式では中立的な選択肢が存在しないため、回答者は必ず肯定的か否定的かいずれかの立場を選ぶことになります。
例えば、「満足」「不満」のどちらかを選択するため、回答の意図が曖昧になりません。
その結果、集計データは肯定層と否定層に明確に分かれ、両者の比率や意見の強さを把握しやすくなります。この明確さは、分析段階において非常に有効です。課題や改善点が浮き彫りになりやすく、次のアクションにつながる具体的なインサイトを得やすくなる点が大きなメリットです。
明確な回答傾向を基に、施策の意思決定を迅速に行うことが可能になります。

アンケートで4択形式を用いるデメリット
データ分析のしやすさというメリットがある一方で、4択形式には回答者に負担をかけてしまうというデメリットも存在します。
設問に対して本当に中立的な意見を持っている人にとっては、無理にどちらかを選ぶことがストレスになる可能性があります。
ここでは、4択形式が回答者に与える影響について考察します。
回答者が悩んでしまい負担をかける可能性がある
4択形式では、設問に対して「どちらともいえない」と感じている回答者も、無理に肯定か否定のどちらかを選択しなければなりません。
自分の意見とは異なる選択を強いられることで、回答者はストレスを感じたり、回答をためらったりする可能性があります。その結果、深く考えずに適当な回答を選んでしまったり、最悪の場合はアンケートの途中で離脱してしまったりすることも考えられます。
このように回答者に心理的な負担をかけることで、得られる回答データの信頼性が低下するリスクがある点は、4択形式を用いる際のデメリットとして認識しておくべきです。

比較でわかる!5択形式のメリットと注意点
5択形式は、多くのアンケートで採用される汎用性の高い形式です。
中立的な選択肢があることで回答しやすくなるというメリットがある一方、回答が中央に偏りやすいという注意点も存在します。
ここでは4択形式と比較しながら、5択形式の利点と、データ分析の際に気をつけるべきポイントを解説します。
回答者が答えやすく離脱を防げるメリット
5択形式には「どちらでもない」や「普通」といった中立的な選択肢があるため、設問に対して明確な意見を持っていない人や、判断に迷う人でも気軽に回答できます。
回答者は無理に自分の意見を曲げる必要がなく、直感的に最も近いと感じる選択肢を選べます。
この回答しやすさは、回答者にかかる心理的な負担を軽減し、アンケート全体の回答率を高める効果が期待できます。特に、アンケートの設問数が多い場合や、幅広い層から意見を収集したい場合には、回答者の途中離脱を防ぐ上で有効な形式といえます。

回答が中央に偏り有効なデータを得にくい注意点
5択形式の注意点は、「どちらでもない」という中立的な選択肢に回答が集中しやすい「中央値への集中化傾向」です。
回答者が深く考えずに無難な選択肢として中央を選んでしまうことで、肯定的な意見と否定的な意見の差が不明瞭になることがあります。
この傾向が顕著になると、データ全体の傾向が掴みづらくなり、調査から明確な示唆を得ることが難しくなる可能性があります。
特に日本人は中立的な回答を選ぶ傾向があるともいわれています。
そのため、5択形式を採用する際は、中央に集まった回答をどう解釈し、分析に活かすかをあらかじめ検討しておくことが求められます。

【目的別】アンケートで4択と5択を使い分ける判断基準

アンケートの精度を高めるためには、調査の目的に応じて4択と5択を適切に使い分けることが重要です。
サービスの課題を明確にしたいのか、それとも顧客の全体的な意見の傾向を把握したいのかによって、最適な選択肢の数は異なります。
ここでは、具体的な調査目的別に、どちらの形式を選ぶべきかの判断基準を解説します。
サービスの改善点など白黒つけたい調査には4択形式
新しい機能の評価やサービスの改善点を探るなど、回答者に賛成か反対か、満足か不満かの立場を明確にしてほしい調査では4択形式が適しています。
中立的な選択肢を意図的に排除することで、回答者は肯定か否定かのどちらかを選ぶ必要があり、結果として課題が浮き彫りになりやすくなります。
例えば、「この機能は使いやすいですか?」という問いに対して、肯定的な意見が少なければ、その機能に何らかの問題があることが明確に分かります。
このように、実質的に2択に近い形で意見を収集したい場合や、意思決定のために明確な根拠が欲しい場合に4択形式は有効です。

顧客満足度など幅広い意見を募る調査には5択形式
顧客満足度調査やブランドイメージ調査のように、回答者の感情の度合いや意見のグラデーションを幅広く把握したい場合には5択形式が適しています。
「どちらでもない」という回答を含めて収集することで、積極的な支持層や批判層だけでなく、中間層の存在やその割合も把握できます。
この中間層の回答は、潜在的な顧客層の意見や、今後のサービス改善のヒントになる可能性があります。
無理に意見を表明させるのではなく、ありのままの回答をしてもらうことで、より実態に近いデータを収集することが可能です。
全体の傾向を俯瞰的に捉えたい調査では、5択形式の採用を検討すると良いでしょう。

そのまま使える!アンケートの選択肢の文言例
実際にアンケートを作成する際に役立つ、4択と5択の選択肢の具体的な文言例を紹介します。
同意度、満足度、頻度、重要度など、質問の内容に合わせて使い分けられるパターンをまとめました。
これらの例を参考に、調査目的に合致した分かりやすい選択肢を作成してください。
4択形式で使える回答選択肢のパターン
4択形式のアンケートで使える選択肢の文言例をパターン別に紹介します。
これらの例を質問内容に応じて調整して活用してください。
【同意度】
非常にそう思う
ややそう思う
あまりそう思わない
全くそう思わない
【満足度】
非常に満足
やや満足
やや不満
非常に不満
【頻度】
よく利用する
ときどき利用する
あまり利用しない
全く利用しない
【重要度】
非常に重要
やや重要
あまり重要ではない
全く重要ではない
【可能性】
非常に可能性がある
やや可能性がある
あまり可能性はない
全く可能性はない
この他にも、質問の意図に合わせて「好き・どちらかといえば好き・どちらかといえば嫌い・嫌い」といった表現も考えられます。

5択形式で使える回答選択肢のパターン
5択形式のアンケートで使える選択肢の文言例をパターン別に紹介します。
4択形式の間に「どちらでもない」や「普通」といった中立的な選択肢を加えるのが基本形です。
これらの例を参考に、回答者が迷わず答えられる選択肢を作成してください。
同意度
非常にそう思う
ややそう思う
どちらでもない
あまりそう思わない
全くそう思わない
満足度
非常に満足
やや満足
普通
やや不満
非常に不満
頻度
いつも利用する
よく利用する
ときどき利用する
あまり利用しない
全く利用しない
重要度
非常に重要
重要
どちらでもない
あまり重要ではない
全く重要ではない
評価
とても良い
良い
普通
悪い
とても悪い

まとめ
アンケートにおける4択形式と5択形式は、中立的な選択肢の有無という点で大きく異なります。
4択は回答者の意見を明確化し、データ分析を容易にする一方で、回答者に負担をかける可能性があります。
対して5択は、回答しやすく離脱を防ぐ効果があるものの、回答が中央に偏りやすいという注意点があります。
どちらの形式が優れているということではなく、調査の目的によって適切な選択肢の数は変わります。
サービスの改善点など白黒つけたい場合は4択、顧客満足度のように幅広い意見を収集したい場合は5択、というように使い分けることが、精度の高い調査結果を得るために重要です。