アンケートの6段階評価とは?5段階・7段階との違いと使い方を解説

こんにちは。デジタルマーケティングカンパニー・オノフのトウガサです。
アンケートで回答者の意見や満足度を測る際、5段階や7段階の段階評価がよく用いられます。
その中で、あえて中立的な選択肢を設けない6段階評価という手法があります。
この方法は、回答者の態度をより明確にする目的で使われ、4段階評価と同様に偶数段階の選択肢で構成されます。
本記事では、6段階評価の基本的な考え方から、5段階・7段階評価との違い、具体的な作成方法、分析のポイントまでを解説します。
アンケートにおける6段階評価(リッカート尺度)の基本
アンケートにおける6段階評価は、心理学者のレンシス・リッカートが開発したリッカート尺度の一種です。
「とても満足」から「全く不満」のように、段階的に示された選択肢から最も近いものを選んでもらうことで、人々の意見や態度を測定します。
6段階評価は、選択肢が偶数であるため中央の「どちらともいえない」という中立的な項目が存在しません。
これにより、回答者は肯定か否定か、いずれかの立場を選択する必要が生じます。
6段階評価と5段階・7段階評価の決定的な違い
6段階評価と、より一般的に使われる5段階評価や7段階評価との最も大きな違いは、中立的な選択肢の有無です。
5段階や7段階といった奇数の段階評価では、スケールの中央に「どちらともいえない」や「普通」といった選択肢が設けられます。
これに対して、偶数である6段階評価には中央の選択肢が存在しません。
この構造の違いが、回答者の心理的な負担や、得られるデータの性質に大きく影響します。
「どちらともいえない」を選べる5段階・7段階評価の特徴
5段階や7段階評価のように奇数の選択肢を持つ尺度は、回答者が明確な意見を持っていない場合や、設問に対して中立的な立場を取りたい場合に、その意思を正直に示すことができます。
これにより、回答者は心理的な負担を感じにくく、回答しやすいという利点があります。
しかし、その一方で、回答者が深く考えずに「どちらともいえない」という選択肢に安易に流れてしまう可能性も指摘されます。
その結果、多くの回答が中央に集中してしまい、意見の分布が不明瞭になることがあります。

回答者の態度を明確にする6段階評価の特徴
6段階評価は、中立的な選択肢を設けないことで、回答者に肯定か否定かいずれかの立場を表明するよう促す特徴があります。
これは強制選択法(Forced Choice Scale)とも呼ばれ、回答者が設問に対して自身の態度を意識的に判断する必要があるため、より本音に近い意見を引き出しやすいとされます。
例えば、「どちらともいえない」という回答が多数を占めることを避けたい場合や、商品・サービスに対する評価をより明確に把握したい場合に有効な手法です。
これにより、意見の方向性がはっきりとしたデータを収集できます。

アンケートで6段階評価を活用するメリット

アンケートで6段階評価を用いる最大のメリットは、回答者の態度を明確化できる点にあります。
中央の選択肢を意図的に排除することで、回答者が「どちらともいえない」という安易な回答に逃げるのを防ぎます。
その結果、回答者は肯定か否定か、より自身の意見に近い立場を選択することになり、潜在的な意識や本音を引き出しやすくなるという効果が期待できます。
これにより、データの解釈が容易になり、より具体的な示唆を得られます。
「中立的な回答」に頼るのを防ぎ本音を引き出しやすい
アンケートにおいて「どちらともいえない」という選択肢は、回答者にとって便利な逃げ道となる場合があります。
設問について深く考えたくない、あるいは当たり障りのない回答をしたいという心理が働きやすいためです。
6段階評価ではこの選択肢が存在しないため、回答者は自身の意見が肯定側か否定側かを判断しなくてはなりません。
このプロセスを経ることで、より主体的な判断が促され、潜在的に持っている意見や態度の方向性が明確になります。
結果として、より実態に即した回答データを集められる可能性が高まります。

肯定・否定のどちらに近い意見か把握できる
6段階評価では、「とてもそう思う」「そう思う」「ややそう思う」と、「あまりそう思わない」「そう思わない」「全くそう思わない」のように、肯定側と否定側でそれぞれ段階を設けます。
これにより、単に賛成か反対かという二者択一ではなく、意見の強さや度合いを詳細に把握することが可能です。
例えば、肯定的な回答の中でも「ややそう思う」が多いのか、「とてもそう思う」が多いのかを分析することで、満足度や支持のレベルをより深く理解できます。
顧客満足度調査などで、改善点の優先順位を判断する際に有効です。

アンケートで6段階評価を用いる際のデメリットと注意点
6段階評価は回答者の本音を引き出しやすい一方で、デメリットも存在します。
中立的な選択肢がないため、回答者はどちらかの立場を選ぶことを強いられます。
これが心理的な負担となり、回答をためらったり、最悪の場合はアンケート自体を離脱したりする可能性があります。
そのため、設問の設計や対象者を慎重に考慮しないと、かえってデータの質を損なうことになりかねません。
これらの注意点を理解した上で活用することが求められます。
回答者が悩んでしまい負担に感じる可能性がある
本当に意見が中立である回答者や、設問内容について十分な知識がなく判断が難しい回答者にとって、6段階評価は負担になることがあります。
「どちらともいえない」という選択肢がないため、無理に自分の意見とは異なる立場を選ばなければならない状況に置かれます。
このような回答の強制は、回答者に不快感やストレスを与え、アンケートに対する誠実な回答意欲を削いでしまう原因にもなります。
特に、複雑で多面的なテーマを扱う設問では、このデメリットが顕著に現れる傾向があります。

回答をためらった結果、無回答が増えるリスクがある
回答者が選択に悩んだ結果、その設問への回答をあきらめてしまう、すなわち無回答(欠損値)が増えるリスクが高まります。
無回答のデータが多くなると、集計結果に偏りが生じ、分析の信頼性が低下してしまいます。
アンケート全体の回答率が下がることにもつながりかねません。
このリスクを軽減するためには、設問文を誰にでも理解しやすい平易な表現にしたり、必要に応じて「わからない」「該当しない」といった選択肢を別途用意したりするなどの工夫が重要です。

6段階評価アンケートの効果的な作り方と質問例

6段階評価のアンケートを効果的に作成するには、いくつかのステップを踏む必要があります。
まず、アンケートで測定したい評価の軸を明確に定め、次に対極となる選択肢の言葉を慎重に設定します。
最後に、その間の段階的な選択肢を作成するという手順で進めます。
このプロセスを丁寧に行うことで、回答者が迷いにくく、かつ分析しやすい、精度の高いアンケートを設計することが可能になります。
具体的な質問例を交えながら解説します。
STEP1:評価の軸を明確に決める(満足度・同意度など)
アンケート設計の第一歩は、何を測定したいのかという評価の軸を明確にすることです。
例えば、提供したサービスに対する「満足度」、企業の新しい方針に対する「同意度」、特定の商品や機能の「重要度」、あるいはウェブサイトの「推奨度」など、調査の目的に応じて軸を定めます。
この軸が曖昧なままでは、設問や選択肢に一貫性がなくなり、回答者は何をもって評価すればよいか混乱してしまいます。
軸を一つに絞り込むことで、回答のブレを防ぎ、分析の精度を高めることにつながります。

STEP2:両端となる選択肢の言葉を設定する
評価の軸が決まったら、スケールの両極端に配置する言葉を設定します。
例えば、評価軸が「満足度」であれば、「非常に満足」と「非常に不満」のように、意味が完全に対になる言葉を選びます。
このとき、両端の言葉のバランスが重要です。
「とても良い」の対義語を「悪い」とすると、言葉の強さが不均衡になってしまいます。
「とても良い」に対しては「とても悪い」とするなど、言葉のレベル感を揃える配慮が必要です。
この両端の言葉が、回答者にとっての評価基準の土台となります。

STEP3:段階的な選択肢を作成する【具体的な質問例】
両端の言葉が決まったら、その間を埋める4つの選択肢を作成し、合計6段階のスケールを完成させます。
肯定側と否定側でそれぞれ均等な段階になるように言葉を選ぶことが重要です。
例えば、満足度を問う質問では、「①非常に満足」「②満足」「③やや満足」「④やや不満」「⑤不満」「⑥非常に不満」といった選択肢が考えられます。
言葉のニュアンスが回答に影響を与えるため、「満足」と「やや満足」の違いが回答者に明確に伝わるかなど、慎重な検討が求められます。
この選択肢の設計が、データの質の鍵を握ります。

6段階評価アンケートの結果を分析するポイント
6段階評価で収集したデータの分析は、いくつかのポイントを押さえることで、より深い洞察を得られます。
まずは肯定的な回答と否定的な回答の比率を算出し、全体の大きな傾向を把握します。
その後、クロス集計を用いて、年齢や性別といった回答者の属性ごとにどのような違いがあるのかを掘り下げていくと、具体的な改善策のヒントが見えてきます。
これらの手法を組み合わせることで、単なる集計に終わらない、実用的な分析が可能となります。
肯定的な回答と否定的な回答の比率で全体像を把握する
分析の最初のステップとして、6つの選択肢を肯定的なグループと否定的なグループの2つに大別します。
例えば、「非常に満足」「満足」「やや満足」を肯定グループ、「やや不満」「不満」「非常に不満」を否定グループとして集計し、それぞれの構成比を算出します。
これにより、回答者全体の意見がポジティブなのかネガティブなのか、その大まかな傾向を直感的に理解することができます。
この全体像を把握することが、より詳細な分析に進むための基礎となります。

クロス集計で回答者の属性ごとの傾向を比較する
全体像を把握した後は、回答者の属性データ(年代、性別、居住地、利用頻度など)と評価の回答を掛け合わせるクロス集計分析を行います。
この手法により、特定の層がどのような意見を持っているかを明らかにできます。
例えば、「若年層は満足度が高いが、高年層では不満度が高い」といった傾向が発見されれば、ターゲット層に応じた施策を検討する上で重要な示唆となります。
単純集計だけでは見えてこない、属性ごとの具体的な課題やニーズを浮き彫りにするために不可欠な分析です。

まとめ
6段階評価は、中立的な選択肢をなくすことで、回答者の意見を肯定か否定かのどちらかに導き、態度の明確化を促すアンケート手法です。
これにより、回答者の本音に近いデータを収集しやすいというメリットがあります。
しかし、回答者に心理的な負担をかけ、無回答を増やすリスクも伴います。
そのため、アンケートの目的や対象者を十分に考慮し、5段階や7段階評価といった他の手法と比較検討することが重要です。
設問の作り方や分析のポイントを理解し、適切に活用することで、調査の精度を高めることが可能です。
アンケート設計から活用まで、オノフがご支援できます
株式会社オノフでは、アンケート調査を「取って終わり」にせず、目的に合った設計から分析、施策への落とし込みまでを一貫してご支援しています。
定量・定性リサーチで生活者のインサイトを捉え、6段階評価のような評価尺度の使い分けや設問設計にも対応可能です。
また、調査結果をもとにした戦略設計や、Web・LPなどのデジタル実装まで社内チームで連携できる点も強みです。
「どの評価方法が適切かわからない」「アンケート結果をどう活かせばよいか悩んでいる」といったお悩みがありましたら、お気軽にご相談ください。