アンケートのルールとは?失敗しない作成のコツを基本から解説

質の高いアンケートの作成には、回答が集まりやすく、かつ分析に役立つデータを取得するためのルールが存在します。
自己流で作成すると、回答が集まらなかったり、得られたデータが役に立たなかったりする失敗につながりかねません。
この記事では、アンケート作成の基本原則から、設問設計における具体的なコツ、回答率を高めるための注意点まで、失敗しないためのノウハウを体系的に解説します。
アンケート作成で失敗しないために押さえるべき基本原則
アンケートを成功させるには、設問作成に入る前の準備段階が極めて重要です。
この段階を疎かにすると、アンケートは思うような成果を上げられません。
具体的には、「目的の設定」「対象者の明確化」「回答者への配慮」という3つの基本原則を押さえる必要があります。
これからアンケートを作成する流れの中で、まずはこの土台をしっかりと固めることから始めましょう。
原則1:何を知りたいのか?アンケートの目的を具体的に設定する
アンケートを実施する最初のステップは、その目的を具体的に設定することです。
なぜこの調査を行うのか、何を知りたいのかという目的が曖昧だと、設問の内容がぶれてしまい、集計・分析の段階で役に立たないデータしか得られません。
例えば、新商品の開発がきっかけであれば、「ターゲット層が抱える課題」や「既存商品に対する満足度」といった具体的な調査テーマを設定します。
目的を明確にすることで、必要な質問項目が自然と定まり、精度の高い調査へとつながります。

原則2:誰に回答してほしいのか?調査対象者を明確にする
アンケートの目的が定まったら、次に誰に回答してほしいのかという調査対象者を明確にします。ターゲットを適切に設定することで、より具体的で意味のあるデータを得ることが可能です。
ただし、精度を求めすぎて属性を過度に絞り込むと、本来のターゲット層を見失うリスクがあります。例えば、新商品の市場性を探る調査で「既存顧客」のみに限定してしまうと、新規顧客のニーズを汲み取れません。
一方で、対象が広すぎても回答の傾向が分散し、分析の軸が定まらなくなります。調査目的に照らし合わせ、絞り込みのバランスを考慮することが重要です。狙いたい層を明確にしつつ、目的に応じて柔軟に範囲を調整することで、価値のある調査結果を導き出せます。

原則3:回答者の視点に立ち、負担の少ない設計を心がける
アンケートの設計においては、常に回答者の視点に立つことが重要です。
質問数が多すぎたり、専門的で難解な言葉が使われていたりすると、回答者は途中で面倒になり、離脱してしまいます。
アンケートへの参加意欲を維持してもらうためには、できるだけ回答者の負担を減らす工夫が求められます。
質問数を絞り込み、直感的に理解できる平易な言葉で設問を作成するなど、回答しやすい環境を整えることで、より多くの誠実な回答を集めることが可能になります。

回答の質が劇的に変わる!設問作成の5つの重要ルール

アンケートの土台となる基本原則を押さえたら、次は回答の質を直接左右する設問作成に移ります。
設問の表現一つで、回答の精度は大きく変わるため、細心の注意が必要です。
誰が読んでも同じように解釈できる、わかりやすい言葉選びや、回答を特定の方向に誘導しない中立的な聞き方が求められます。
ここでは、信頼性の高いデータを集めるために不可欠な5つの重要ルールを解説します。
ルール1:専門用語はNG!誰が読んでも理解できる言葉を選ぶ
設問を作成する際は、専門用語や業界用語、社内だけで通用する略語の使用は絶対に避けましょう。
作成者にとっては当たり前の言葉でも、回答者にとっては意味が理解できない可能性があります。
質問の意図が正しく伝わなければ、回答者は推測で答えたり、回答をためらったりしてしまい、データの信頼性が損なわれます。
類似の言葉であっても、人によって解釈が分かれる可能性がある場合は、補足説明を加えるなどの配慮が必要です。
誰が読んでも誤解の余地がない、平易で一般的な言葉を選ぶことが鉄則です。

ルール2:回答を誘導しない!中立的で公平な質問文を作成する
質問文は、回答者の意見を特定の方向に導くことがないよう、常に中立的で公平な表現を心がける必要があります。
「〇〇は素晴らしいと思いませんか?」といった同意を求めるような聞き方は、典型的な誘導尋問です。
このような誘導的な聞き方をすると、回答者は無意識のうちに肯定的な回答を選びやすくなり、調査結果に偏りが生じてしまいます。
意図していなくても、特定の選択肢を強調するような表現は避けるべきです。
客観的な事実に基づいた、フラットな言葉選びが、正直な意見を引き出す鍵となります。

ルール3:回答者の離脱を防ぐ!適切な質問数と所要時間を設定する
回答者が集中してアンケートに答えられる時間には限りがあります。
そのため、質問数と所要時間を適切に設定することが、回答完了率を高める上で非常に重要です。
一般的に、Webアンケートであれば回答時間が5分から10分程度、多くても15分以内に収まるのが理想とされています。
質問数が多すぎると回答者の負担が増大し、途中で離脱する原因になるだけでなく、設問をよく読まずに答えるなど、回答の質が低下する恐れもあります。
アンケートの冒頭で所要時間の目安を明記しておくことも、回答者の負担を和らげる配慮となります。

ルール4:答えやすい順序を意識!簡単な質問から始める構成にする
アンケート全体の構成や設問の順序は、回答のしやすさに大きく影響します。
属性設問は、調査目的や質問内容によって、冒頭に配置する場合もあれば、後半に回すこともあります。
重要なのは、どこに置くかという形式そのものではなく、その設問が後続の回答に影響を与えないかという視点です。
例えば、特定の先入観を与えてしまう予見バイアスを防ぐためには、論理的で自然な流れを意識して順序を組み立てる必要があります。
一般的には、答えやすい事実に関する質問から始め、徐々に意見や評価など思考を要する本題へ移るのが基本です。
回答者の心理的負担が大きくなりやすい質問は後半に配置するなど、回答時の心理状況にも配慮しながら、全体としてスムーズに回答できる構成を意識しましょう。

ルール5:回答の必須・任意を効果的に使い分ける
アンケートを作成する際、すべての設問を回答必須に設定すると、回答者は心理的な圧迫感や負担を感じやすくなります。特に記述式の設問や、自身のプライバシーに深く関わる内容が必須となっている場合、回答を断念して離脱する大きな要因になりかねません。
しかし、分析に必要な主要データが欠落しては調査の目的を果たせないため、安易にすべてを任意にすることも避けるべきです。集計の軸となる属性情報や核心的な質問は必須とし、詳細なエピソードを求める自由記述や、答える側に心理的な抵抗が生じやすい項目に限って任意に設定するのが鉄則です。
項目の重要度を厳密に判断し、必須と任意のバランスを最適化することで、回答者の心理的なハードルを下げつつ、質の高いデータを確実に収集できるようになります。

もっと回答を集めたい!回答率を高めるための3つの工夫

質の高いアンケートを作成しても、そもそも回答が集まらなければ分析はできません。
多くの人々にアンケートへ協力してもらい、貴重な意見や希望を収集するためには、回答率を高める工夫が不可欠です。
回答者が「答えてみよう」と思えるような動機付けを行い、安心して回答できる環境を整えることが重要になります。
ここでは、回答率の向上に直結する3つの具体的な工夫を紹介します。
工夫1:魅力的な謝礼(インセンティブ)で回答への意欲を高める
謝礼(インセンティブ)は、アンケートへの回答意欲を直接的に高める非常に有効な手段です。
調査対象となる層が魅力を感じるような謝礼を用意することで、回答の動機付けにつながります。
例えば、デジタルギフト券やポイント、自社製品の割引クーポン、抽選で当たる景品などが考えられます。
ただし、アンケートの所要時間や内容に見合わない高額な謝礼は、謝礼目当ての不誠実な回答者を集めてしまうリスクもあります。
回答者への感謝を示す意味でも、内容と労力に見合った良い謝礼を設定することが重要です。

工夫2:導入文で感謝と目的を伝え、協力的な姿勢を促す
アンケートの導入文は、回答者の協力姿勢を引き出すための重要な要素です。
まず冒頭で、アンケートに協力してくれることへの感謝を伝えましょう。
その上で、このアンケートが何のために行われるのかという目的や、収集したデータがどのように活用されるのかを簡潔に説明します。
回答時間の目安や回答データの取り扱いについても明記することで、回答者は安心して設問に進むことができます。
調査の意義が伝われば、回答者はより真摯に、そして協力的に回答してくれる可能性が高まります。

工夫3:個人情報の取り扱い方針を明記して信頼性を確保する
アンケートで氏名や連絡先などの個人情報を取得する際には、その取り扱い方針(プライバシーポリシー)を明確に記載することが法律で義務付けられており、また信頼を得る上でも不可欠です。
具体的には、収集する情報の利用目的、第三者への提供の有無、データの管理方法などを具体的に示します。
これにより、回答者は自身の情報が安全に管理されることを確認でき、安心してアンケートに協力できます。
その他、問い合わせ先の情報を併記しておくと、より誠実な印象を与え、信頼性の確保につながります。

アンケートのルールに関するよくある質問
ここでは、アンケートの作成担当者から寄せられることの多い、共通の疑問について解説します。
例えば、満足度調査で「やや不満」といった選択肢を入れるべきか、最適な質問数はどのくらいかなど、具体的な運用面で判断に迷うケースは少なくありません。
こうした細かな疑問点を解消し、より精度の高いアンケート設計に役立てるための知識をQ&A形式でまとめました。
アンケートの最適な質問数や回答時間の目安はありますか?
明確な規定はありませんが、一般的に質問数は15問前後、回答時間は5〜10分以内に収めるのが離脱を防ぐ目安です。
満足度などを5段階や7段階で評価させるリッカートスケールがよく用いられ、回答者の感情の機微を詳しく知りたい場合は段階を多く設定します。
Webアンケートを作成するのにおすすめのツールはありますか?
手軽に始めたい場合は、無料で高機能な「Googleフォーム」が最適です。
条件分岐やデザインのカスタマイズなど、より高度な機能や大規模な調査を求めるなら、「SurveyMonkey」や「Questant」といった専門の有料ツールが選択肢になります。
各ツールの特徴を比較し、目的や予算に応じて選びましょう。
集めたアンケート結果を効果的に分析・活用するコツはありますか?
まずは単純集計で全体の回答傾向を掴み、次にクロス集計を用いて「年代別」「男女別」など属性ごとの特徴を分析します。
仮説を立ててデータを深掘りするのがコツです。
自由記述の意見はテキストマイニングツールで単語の出現頻度などを可視化すると、新たな発見につながります。
まとめ
質の高いアンケートを作成するためには、まず「目的の明確化」「対象者の設定」「回答者への配慮」という3つの基本原則を徹底することが不可欠です。
その上で、設問作成においては、「平易な言葉選び」「中立的な質問文」「適切な質問数」「答えやすい構成順序」「必須と任意の使い分け」という5つのルールを遵守する必要があります。
さらに、魅力的な謝礼の設定や丁寧な導入文、個人情報の取り扱い方針の明記といった工夫を凝らすことで回答率を高め、より多くの有益なデータを収集することが可能になります。
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株式会社オノフは、Web制作を起点に、リサーチ設計・分析からマーケティング戦略、デジタル実装までを一気通貫で支援してきたマーケティングカンパニーです。
定量・定性アンケートをはじめとした調査設計においては、「何を知りたいのか」「その結果をどう活かすのか」という顧客インサイト起点の視点を重視し、分析・施策につながる調査を設計します。
リサーチャー・プランナー・デザイナー・実装メンバーが近い距離で連携できる体制だからこそ、アンケートの設計だけで終わらせず、改善施策やコミュニケーション設計まで踏み込んだご提案が可能です。
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