アンケートの見せ方|結果が伝わる集計とレポート作成のコツ

こんにちは。デジタルマーケティングカンパニー・オノフのトウガサです。
アンケートを実施したものの、結果のまとめ方や報告書での見せ方に悩むケースは少なくありません。
アンケートを効果的に活用するには、回答データを適切に集計し、グラフやレポートを用いて分かりやすく伝える技術が不可欠です。
この記事では、アンケート結果の集計方法の基本から、目的に応じたグラフの選び方、そして説得力のあるレポートを作成するための具体的なステップまで、結果が伝わる見せ方のコツを網羅的に解説します。
アンケート結果をわかりやすく見せるための3つの基本原則
アンケート結果を効果的に見せるには、いくつかの基本原則を理解しておくことが重要です。
まず、「誰に、何を伝えたいのか」という目的を明確にしましょう。
報告相手の知識レベルや関心事を考慮することで、情報の取捨選択や見せ方が変わります。
次に、複雑なデータを直感的に理解できるよう、視認性の高いグラフや図を効果的に用いることが求められます。
最後に、客観的なデータを示すだけでなく、そこから何が言えるのかという分析や考察を加えることで、報告の価値を高めるという視点を持つことが不可欠です。
見せる前の第一歩!基本となる3つのアンケート集計方法
アンケート結果を効果的に見せるためには、まずデータを正しく集計し、分析の土台を整える必要があります。
集計方法は主に3つあり、それぞれで把握できる内容が異なります。
全体の傾向を掴む「単純集計」、回答者の属性ごとの特徴を深掘りする「クロス集計」、そして数値化しにくい意見を整理する「自由記述の集計」です。
これらの方法をアンケートの目的に応じて使い分けることで、データに隠されたインサイトを発見し、説得力のある報告につなげられます。
全体の傾向を把握する「単純集計」
単純集計は、各設問に対する回答数を集計し、それぞれの選択肢がどのくらいの割合を占めるのかを算出する方法です。
GrandTotal(総計)の頭文字から「GT集計」とも呼ばれ、アンケートに参加した人全体の回答傾向や、全体構造を最もシンプルに把握できます。
「はい」が何パーセント、「いいえ」が何パーセントといった基本的な数値を明らかにし、レポートの基礎情報として活用されるのが一般的です。
この結果を円グラフや棒グラフで示すことで、回答の全体像を直感的に伝えることが可能になります。

回答者の属性別に特徴を分析する「クロス集計」
クロス集計は、性別や年齢、居住地といった回答者の属性データと、各設問への回答データを掛け合わせて分析する手法です。
例えば、「20代女性は商品Aの満足度が高い」といった、特定の層の傾向を明らかにできます。
単純集計だけでは見えてこない、より深いインサイトや課題を発見するのに役立ちます。
お客様の声の中から特定の属性に共通する意見を見つけ出すなど、具体的なマーケティング施策を検討する上で非常に有効な分析方法といえるでしょう。

意見や感想を分類する「自由記述の集計」
自由記述欄に寄せられたテキストデータは、そのままでは集計が困難なため、内容を整理・分類する必要があります。
この作業は「アフターコーディング」と呼ばれ、類似した意見や感想をグループ化し、それぞれの出現数を数えることで定量化します。
また、テキストマイニングという手法を用いて、頻出する単語や単語同士の関連性を分析することも有効です。
これにより、回答者の具体的な意見の傾向や、定量調査だけでは把握しきれない潜在的なニーズや不満点を可視化できます。

【目的別】アンケート結果が一目でわかるグラフの選び方

アンケート結果を視覚的に伝える上で、グラフの選択は極めて重要です。
Excelなどの集計ツールを使えば誰でも簡単にグラフを作成できますが、伝えたい内容に応じて最適な形式を選ばないと、データが持つ意味を正しく伝えられません。
例えば、割合を示したいのか、数値を比較したいのか、あるいは時間の経過による変化を見せたいのかによって、使用すべきグラフは異なります。
ここでは、代表的なグラフの種類と、それぞれの特徴や効果的な使い方を目的別に解説します。
構成比率を示したい場合は「円グラフ」が最適
全体における各項目の構成比率、つまり「内訳」を示したい場合に最も適しているのが円グラフです。
例えば、特定のお店に来店した顧客の年代構成や、ある商品を購入した理由の割合などを視覚的に分かりやすく表現できます。
全体を100%として、各要素が占める割合を面積で示すため、どの項目が多数を占めているかが一目で把握可能です。
ただし、項目数が多すぎると各要素が細かくなり、かえって見づらくなるため、項目は5〜6個程度に絞るのが一般的です。

項目ごとの数値を比較するなら「棒グラフ」を活用
棒グラフは、複数の項目間における数値の大小を比較する際に非常に有効なグラフです。
各項目の量を棒の長さで表現するため、どの項目が最も多い(または少ない)のかを直感的に理解できます。
例えば、複数の店舗の売上高を比較したり、類似の競合製品に対する満足度を並べて比較したりする場面で活用されます。
時系列の比較には縦棒グラフ、項目名が長い場合は横棒グラフといった使い分けをすると、より伝わりやすい資料を作成することが可能です。
店ごとの特徴を浮き彫りにするのに役立ちます。

項目内の構成比を比べるなら「帯グラフ」が効果的
帯グラフは、複数のグループ間での内訳(構成比)を比較する際に効果的なグラフです。
全体を100%とする一本の帯で各グループを表現し、その内訳を色分けして示すことで、グループごとの構成比の違いを一目で比較できます。
例えば、年代別の契約プランの割合や、男女別の支持政党の比率など、複数の対象を横並びで比較したい場合に適しています。
円グラフが単一のグループの構成比を示すのに対し、帯グラフは複数グループの比較に特化している点が特徴です。

時系列の変化を可視化するには「折れ線グラフ」
折れ線グラフは、時間の経過とともに数値がどのように変化したか、その推移や傾向を示すのに最適なグラフです。
売上高の月次推移、顧客満足度の四半期ごとの変化、ウェブサイトのアクセス数の変動など、特定のタイミングにおけるデータの増減を可視化するのに役立ちます。
点を線で結ぶことで、データの連続性やトレンドが明確になり、将来の予測を立てる際の参考情報としても活用できます。
複数の系列を一本のグラフにまとめて比較することも可能です。

複数の評価項目のバランスを見るなら「レーダーチャート」
レーダーチャートは、複数の評価項目に対する結果を一つの図で示し、全体のバランスを把握するのに適したグラフです。
中心から放射状に伸びる各軸が評価項目を表し、それぞれの評価点を線で結ぶことで多角形が描かれます。
例えば、製品の機能性、価格、デザイン、サポート体制といった複数の項目を総合的に評価する際に用いられます。
複数の製品やサービスの結果を重ねて表示することで、それぞれの強みや弱みを比較検討することも可能です。
評価項目の設定が重要になります。

説得力が格段に上がる!アンケート結果報告書の作成ステップ
アンケート結果をまとめた報告書は、単にデータを羅列するだけでは不十分です。読み手に内容を正しく理解してもらい、次のアクションにつなげるためには、構成を練り、説得力のある見せ方を工夫する必要があります。
アンケートに回答してもらった労力に応えるためにも、見出しを効果的に使い、論理的な流れで報告書を作成することが求められます。ここでは、調査結果の価値を最大限に引き出すための報告書作成について具体的に解説します。
ステップ1:報告書の構成要素を整理する
報告書の作成に取り掛かる前に、まずは全体の構成案を整理することが重要です。
一般的に、報告書は「調査概要」「結果の要約(エグゼクティブサマリー)」「各設問の詳細な結果」「考察と提言」といった要素で構成されます。
誰に、何を、どのような順番で伝えれば最も効果的かを考え、全体の骨子を固めておきましょう。
この段階で論理的なストーリーを組み立てておくことで、手戻りが少なくなり、一貫性のある分かりやすい報告書を作成できます。

ステップ2:調査の目的や対象者など「調査概要」を明記する
報告書の冒頭には、必ず「調査概要」を記載します。
これは、報告を読む人がアンケートの背景や前提条件を正しく理解するために不可欠な情報です。
具体的には、調査の目的、調査対象者、サンプル数、調査期間、調査方法(Webアンケート、郵送調査など)を簡潔にまとめます。
この情報を最初に明記することで、報告内容の信頼性が高まり、読み手はどのような調査に基づいた結果なのかを正確に把握した上で、以降の詳細なデータを読み進めることができます。

ステップ3:集計結果から読み取れる「結論の要約」を冒頭に示す
忙しい読み手のために、報告書の冒頭で結論の要約を提示することは非常に効果的です。
この部分は「エグゼクティブサマリー」とも呼ばれ、アンケート調査全体から得られた最も重要な発見や結論を数点に絞って簡潔に記述します。
詳細なデータを見る前に、調査結果の全体像と要点を把握できるため、読み手の理解を促進します。
例えば、「全回答者(nn=500)のうち、60%が新機能に満足しており、特に若年層からの支持が厚い」のように、具体的な数値を含めて示すと説得力が増します。

ステップ4:グラフを用いて「各設問の結果」を詳細に説明する
報告書の中心となるのが、各設問の結果を具体的に示す部分です。
ここでは、単純集計やクロス集計の結果を、目的に応じた適切なグラフを用いて視覚的に表現します。
グラフを提示するだけでなく、そのグラフから何が読み取れるのかを客観的な事実としてテキストで補足説明することが重要です。
例えば、「図1が示すように、商品Aの満足度は75%であり、これは商品Bの50%を大きく上回っている」といった形で、グラフと説明をセットにして報告します。

ステップ5:データから得られた「考察と次のアクション」を提言する
報告書の締めくくりとして、単なる結果の報告に留まらず、そのデータから何が言えるのかという「考察」と、次に行うべき「アクションプラン」を提言します。
例えば、顧客満足度が低いという結果が出た場合、その原因を分析し、「サポート体制の強化」や「製品マニュアルの改訂」といった具体的な改善策を提示します。
この考察と提言こそが、アンケート調査の価値を最大限に高める部分であり、ビジネス上の意思決定に直接貢献することになります。

【応用編】アンケート結果の見せ方をワンランクアップさせるコツ

基本的な報告書の作成ステップを踏まえた上で、さらにいくつかの工夫を加えることで、資料の分かりやすさと説得力を一段と高めることが可能です。
グラフの見た目や情報の提示方法に少し配慮するだけで、読み手の理解度は大きく変わります。
ここでは、アンケート結果の見せ方をワンランクアップさせるための、すぐに実践できる3つの応用的なコツを紹介します。
これらのテクニックを活用し、より伝わる報告書を目指しましょう。
グラフにはタイトルと出典を忘れずに記載する
グラフを提示する際は、そのグラフが何を表しているのかが一目でわかるように、必ず具体的で分かりやすいタイトルを付けましょう。
「年代別の満足度比較」のように、何と何を比較しているのかを明記します。
また、グラフの信頼性を担保するために、出典情報の記載も不可欠です。
調査名、調査機関、調査期間、調査対象者、サンプル数(n=〇〇)などをグラフの下部に明記することで、データの客観性が高まり、読み手は安心して情報を解釈できます。

配色は3色程度に絞り、強調したいポイントを明確にする
グラフの色使いは視認性に大きく影響します。
カラフルにしすぎると、かえってどこを見ればよいのか分かりにくくなるため、使用する色は3色程度に絞るのが基本です。
全体の色調を整えるベースカラー、主要なデータを示すメインカラー、そして特に注目してほしい箇所に使うアクセントカラーを効果的に使い分けましょう。
伝えたいメッセージをアクセントカラーで強調することで、読み手の視線を自然に誘導し、データのポイントを直感的に理解させることが可能になります。

クロス集計の結果から読み取れる仮説を提示する
クロス集計で明らかになった特徴的なデータに対して、その背景にある理由を推察し、仮説として提示することで、報告書に深みが出ます。
例えば、「20代女性の支持が高い」という事実だけでなく、「SNSでの口コミが、情報感度の高いこの層に特に響いたのではないか」といった仮説を加えます。
このような考察は、単なるデータの報告を超えて、次のマーケティング戦略や具体的なアクションプランを考える上での重要な示唆となり、議論を活性化させるきっかけとなります。

アンケートの見せ方に関するよくある質問
アンケート結果の見せ方について、多くの人が抱える共通の疑問や悩みがあります。
ここでは、特に頻繁に寄せられる質問をピックアップし、それぞれに対する具体的な解決策や考え方を簡潔に解説します。
自由記述のまとめ方、グラフ作成時の色の使い方、PowerPointでの資料作成のポイントなど、実践的な内容を取り上げますので、日々の業務の参考にしてください。
自由記述(フリーアンサー)の結果はどのように見せればよいですか?
キーワードを抽出してカテゴリーに分類し、その出現頻度を棒グラフで示す方法が有効です。
また、頻出単語の大きさと関連性を可視化するワードクラウドも直感的な見せ方として活用できます。
代表的な意見をいくつか抜粋して掲載すると、回答の具体的なニュアンスが伝わりやすくなります。
グラフを作成する際に、色の使い方で気をつけることはありますか?
基本は3〜4色に絞り、多色を避けることが重要です。
伝えたいメッセージに合わせて強調したい部分にアクセントカラーを使い、他は無彩色や淡い色でまとめると見やすくなります。
また、赤と緑など、特定の色覚を持つ人にとって見分けにくい色の組み合わせを避ける配慮も必要です。
PowerPoint(パワーポイント)で報告書を作成するときのポイントは何ですか?
「1スライド1メッセージ」を徹底し、情報を詰め込みすぎないことが最も重要です。
伝えたい結論をスライドのタイトルにし、それを補足するグラフやデータを配置する構成を心がけましょう。
シンプルなレイアウトと適切な文字サイズで、読み手が直感的に内容を理解できるよう工夫します。

まとめ
アンケート結果を効果的に見せるためには、目的を明確にした上で、適切な集計方法とグラフを選択し、論理的な構成で報告書を作成することが不可欠です。
まず、単純集計で全体の傾向を掴み、クロス集計や自由記述の分析でインサイトを深掘りします。
その結果を、円グラフや棒グラフなどを用いて目的に合わせて可視化し、調査概要から考察までを網羅した報告書にまとめます。
色使いやタイトルといった細部にも配慮することで、データの説得力はさらに高まります。
アンケート結果の「見せ方」まで見据えた調査設計・活用ならオノフへ
株式会社オノフでは、アンケート調査を「取って終わり」にせず、結果をどう読み解き、どう伝え、次のアクションにつなげるかまでを重視した支援を行っています。
定量・定性リサーチの設計から集計・分析、レポート構成の整理、さらにWebサイトや資料への落とし込みまで、一貫して対応できるのが特長です。
「社内やクライアントにうまく伝わるレポートにしたい」「調査結果を施策や改善に活かしたい」といったお悩みがあれば、ぜひ一度ご相談ください。
アンケート結果を“伝わるアウトプット”に変えるところまで、伴走します。