良いアンケートとは?回答が集まり、活用できる設計のポイントを解説

こんにちは。デジタルマーケティングカンパニー・オノフのトウガサです。
アンケートでよりよい成果を得るためには、単に多くの回答を集めるだけでなく、目的に沿った質の高いデータを収集することが不可欠です。
そのためには、回答者の視点に立った「良いアンケート」を設計する必要があります。
本記事では、アンケートの目的を達成し、有益なインサイトを得るための具体的な設計のポイントや質問作成のコツを解説します。
そもそも「良いアンケート」とは?目的達成を左右する3つの条件
良いアンケートとは、第一に回答者にとって答えやすいこと、第二に作成者にとって分析しやすいデータが集まること、そして最後にそのデータが目的達成や次のアクションにつながること、という3つの条件を満たすものです。
回答者がストレスなく直感的に回答でき、作成者はその結果から明確な示唆を得られなければ、アンケートを実施する意味が薄れてしまいます。
この3つの条件を常に意識して設計することが、価値あるアンケートの基本となります。
アンケート作成の第一歩!設計前に必ず決めておくべき2つのこと
具体的な質問作成に入る前に、アンケートの土台となる2つの要素を固めておく必要があります。
それは「アンケートの目的」と「回答者のターゲット」です。
この2点が曖昧なままでは、集めたデータが何を意味するのかが不明確になり、分析や活用が困難になります。
よりよいアンケートは、この設計段階の明確さによって決まるといっても過言ではなく、最も重要な準備作業です。
何を知るために実施するのか目的を具体的にする
アンケートの目的が曖昧だと、設問も漠然としたものになり、活用できないデータしか集まりません。
「顧客満足度を知りたい」といった抽象的な目的ではなく、「新商品のA機能に対する満足度を具体的な理由とともに把握し、次期モデルの改善点を見つけ出す」のように、誰が、何のために、結果をどう活かすのかまで具体的に掘り下げることが重要です。
目的が明確であれば、尋ねるべき質問が自ずと見えてくるため、よりよいアンケート作成の基盤ができます。

誰に答えてほしいのか回答者のターゲットを明確にする
どのような人から回答を得たいのかを具体的に定義することも、アンケート設計において不可欠です。
例えば「20代の利用者」といった漠然とした括りではなく、「過去3ヶ月以内に当社のECサイトで商品を購入した20代女性」のように、属性や行動履歴で具体的に絞り込みます。
ターゲットが明確になることで、その層に合わせた適切な言葉遣いや質問内容を選ぶことができ、回答の精度が向上します。
よりよいインサイトを得るためには、調査したい対象を正確に設定しておく必要があります。

回答の質が劇的に変わる!良いアンケートの質問作成7つのコツ

アンケートの品質は、一つひとつの質問文の作り方で大きく左右されます。
回答者が質問の意図を正確に理解し、正直かつ的確に回答できるような工夫が不可欠です。
ここで紹介する7つのコツを実践することで、回答の質は劇的に向上し、よりよいデータ収集が可能になります。
良いアンケートを作成するための、具体的で実践的なテクニックを見ていきましょう。
回答者の負担を考え質問は本当に必要なものだけに絞る
質問数が多すぎると、回答者は途中で集中力を失い、いい加減な回答をしたり、最後まで回答せずに離脱したりする原因となります。
アンケートの目的を達成するために、本当に必要な質問は何かを厳選し、関連性の低い質問は思い切って削除する勇気が必要です。
各質問に対して「この回答から何が分かり、どう活用するのか」を自問自答するプロセスを経ることで、設問数を最適化できます。
回答者の負担を最小限に抑えることが、よりよい回答を得るための第一歩です。

1つの質問で聞きたい内容は1つに限定する
商品の価格と品質に満足していますかのように、1つの質問文で2つ以上の論点を含めるダブルバーレル質問は絶対に避けるべきです。
このような質問では、回答者はどちらについて答えれば良いか分からず、仮に回答が得られても、価格と品質のどちらを評価しているのかが不明確になります。
この場合は、商品の価格について満足度を教えてくださいと商品の品質について満足度を教えてくださいというように、必ず2つの独立した質問に分割します。
これにより、よりよい正確なデータを収集できます。

専門用語や業界用語を使わず誰でも理解できる言葉で尋ねる
アンケート作成者は、無意識のうちに自社や業界内でしか通用しない専門用語や略語を使いがちです。
しかし、回答者がそれらの言葉を知らない場合、質問の意味を誤って解釈したり、回答をためらったりする可能性があります。
ターゲットとなる回答者が持つ知識レベルを常に念頭に置き、中学生でも理解できるような、平易で具体的な言葉を選ぶことが重要です。
誰が読んでも同じ意味に捉えられる言葉遣いを心がけることで、よりよい回答の精度を確保できます。

回答を特定の方向に誘導するような聞き方をしない
質問文に作成者の意見や特定の前提が含まれていると、回答がその方向に偏ってしまう可能性があります。
例えば、「多くのお客様からご好評いただいている新サービスについて、いかがでしたか」という聞き方は、肯定的な回答を促す誘導にあたります。
これでは、回答者の率直な意見ではなく、偏ったデータが集まってしまいます。
質問は常に中立的かつ客観的な表現を心がけ、「新サービスについて、ご利用後の感想をお聞かせください」のように、回答者の自由な判断を尊重する聞き方をしなければなりません。

答えやすいように選択式の質問をメインにする
自由記述式の質問は、回答者にとって文章を考える負担が大きく、回答率を下げる一因となります。
そのため、アンケートの質問は基本的に、ラジオボタン(単一選択)やチェックボックス(複数選択)、マトリクス形式などの選択式で構成するのが望ましいです。
選択式は回答者が直感的に答えられるため、スムーズに回答を進めてもらいやすく、回答完了率の向上が期待できます。
また、収集したデータも定量的に集計・分析しやすくなります。
詳細な意見が欲しい場合に限り、任意回答として最後に配置するのが効果的です。

正確な回答が難しい過去の行動に関する質問は避ける
人の記憶は不確かなものであり、特に長期間にわたる過去の行動頻度などを正確に思い出すことは非常に困難です。
「昨年1年間で、当店舗を何回利用しましたか」といった質問では、得られる回答の信頼性は低くなります。
このような場合は、「先月1ヶ月間では、当店舗を何回利用しましたか」のように、回答者が記憶をたどりやすい短い期間に区切って尋ねる工夫が求められます。
よりよいデータを収集するためには、回答者が自信を持って答えられる範囲の質問に留めることが大切です。

プライバシーに関わるデリケートな質問は慎重に扱う
収入、資産、病歴、支持政党といったプライバシー性の高い質問は、回答者が答えることに強い抵抗を感じる場合があります。
このような質問は、アンケートへの不信感を招き、途中離脱の直接的な原因になりかねません。
質問する際は、まずその情報が本当に必要不可欠かを厳しく吟味します。
もし尋ねる必要がある場合でも、その理由を丁寧に説明し、回答は任意であることを明記します。
また、「500万円~700万円未満」のように範囲で尋ねることで心理的負担を和らげ、よりよい協力を得やすくなります。

回答者が迷わない!選択肢を設定するときの4つのポイント

選択式の質問では、質問文だけでなく選択肢の作り方も回答の質に大きく影響します。
選択肢に抜け漏れがあったり、評価の基準が偏っていたりすると、回答者はどれを選ぶべきか迷い、結果として不正確なデータが集まってしまいます。
回答者が自身の状況や意見に最も近いものをスムーズに選べるよう、明確で網羅的な選択肢を設定するための4つの重要なポイントを解説します。
評価の尺度は偏りがないよう均等に設定する
満足度などを5段階で尋ねる場合、選択肢は肯定的なものと否定的なものが均等になるように配置します。
「とても満足」「満足」「普通」「少し不満」のように肯定的な選択肢が多いと、回答結果も肯定的な方向に偏るバイアスが生じやすくなります。
これを防ぐには、「とても満足」「やや満足」「どちらともいえない」「やや不満」「とても不満」のように、中立的な選択肢を中心として、選択肢が対称になるように設計します。
これにより、回答者は自身の感覚に最も近い評価を選びやすくなります。

回答の選択肢に抜け漏れがないように注意する
設定した選択肢で、想定されるすべての回答を網羅しているかを確認することは非常に重要です。
例えば、年代を尋ねる質問で「10代」「20代」「40代以上」という選択肢しか用意されていなければ、30代の回答者は答えることができません。
これでは正確なデータが得られないばかりか、回答者の離脱を招きます。
選択肢はMECE(モレなく、ダブりなく)の状態になっているか、回答者の立場になって慎重に確認する必要があります。
すべてのケースを網羅できない場合は、「その他」の選択肢を用意するなどの対応が求められます。

選択肢の並び順が回答結果に与える影響を考慮する
選択肢がどのような順番で並んでいるかは、回答者の選択に影響を与えることがあります。
例えば、リストの最初の方にある選択肢が選ばれやすくなる「プライマシー効果」などが知られています。
この影響を低減させるため、可能であれば、アンケートツールが持つ選択肢のランダマイズ(順序の無作為化)機能を利用することが有効な対策となります。
ただし、満足度のように段階的な評価を表す選択肢や、年齢層のように順序に意味があるものについては、ランダム化せず、論理的な順序で並べるべきです。

「その他」や「回答しない」という選択肢も用意する
作成者が用意した選択肢だけでは、すべての回答者の状況をカバーしきれないことがあります。
該当する選択肢がない場合、回答者は回答を諦めたり、不正確な回答を選んだりする可能性があります。
これを防ぐため、選択肢の最後に「その他」を設け、必要であれば自由記述欄を併設することで、想定外の回答を拾い上げられます。
また、収入や個人情報に関するデリケートな質問では、「回答しない」という選択肢を用意することも重要です。
これにより、回答を強要されているという印象を与えず、回答者の心理的負担を軽減できます。

回答率を高めるアンケート全体の構成と注意点
個々の質問が良くても、アンケート全体の構成や流れが悪いと、回答者は途中で答える意欲を失ってしまいます。
回答者にストレスを感じさせず、最後までスムーズに回答を完了してもらうためには、質問の順序や導入部分の工夫が不可欠です。
このセクションでは、全体の回答率を高め、よりよい質のデータを確保するための、アンケート全体の構成に関する注意点について解説します。
答えやすい質問から始め、徐々に核心に触れる構成にする
アンケートの構成は、回答者が答えやすい質問から始めるのが鉄則です。
最初に性別や年代といった事実を問う簡単な選択式の質問を配置し、次に具体的な行動や意見を尋ねる質問、そして最後に自由記述などの回答に手間がかかる質問へと進めるのが理想的な流れです。
この一般的な質問から徐々に核心に迫っていく構成は「ファネル(漏斗)構造」と呼ばれます。
いきなり難しい質問から始めると回答意欲が削がれてしまうため、よりよい回答を得るには、この順番を意識することが重要です。

アンケートの冒頭で回答にかかる時間の目安を伝える
アンケートに回答する際、多くの人は「このアンケートはどのくらいの時間がかかるのか」を気にします。
終わりが見えない作業は心理的な負担が大きく、回答をためらう原因になりがちです。
アンケートの最初の画面で、「所要時間の目安:約3分」「設問数:全12問」といった具体的な情報を明記することで、回答者は見通しを立てて安心して協力できます。
所要時間を正直に伝えることは、回答者の信頼を得て、途中離脱を防ぐ上で非常に効果的であり、よりよいデータ収集に貢献します。

回答者の心理的負担を軽くするため回答は任意にする
アンケートの目的達成にどうしても必要な質問以外は、必須回答ではなく任意回答に設定することが望ましいです。
すべての質問を必須にすると、回答者はプレッシャーを感じ、少しでも答えにくい質問があると、そこで回答を中断してしまうリスクが高まります。
回答を任意にすることで、回答者は答えられる範囲で協力すればよいと感じ、心理的な負担が軽くなります。
結果として、より多くの人から部分的ながらも有効な回答を得られ、全体の回答完了率を高めることにもつながり、よりよい結果を期待できます。

まとめ
良いアンケートとは、明確な「目的」と「ターゲット」設定から始まります。
その上で、回答者の視点に立ち、負担の少ない質問設計を心がけることが不可欠です。
質問は1問1義を徹底し、誘導的な表現や専門用語を避け、誰にでも理解できる平易な言葉で作成します。
選択肢は網羅的かつ中立的に設定し、答えやすい質問から始める構成で回答者の離脱を防ぎます。
これらのポイントを一つひとつ丁寧に実践することで、質の高いデータを収集し、目的達成に貢献するアンケートを作成できます。
アンケート設計から活用まで、オノフが伴走します
株式会社オノフは、アンケート設計をはじめとした定量・定性リサーチを起点に、得られたデータを「活用できる示唆」へと落とし込むマーケティング支援を行っています。
調査目的やターゲット整理といった上流設計から、分析・戦略設計、WebやLPなどのデジタル実装までを一気通貫で対応できるのが強みです。
「回答は集まったが、どう活かせばいいかわからない」「設計段階から相談したい」といった段階でもご相談いただけます。
アンケートを“取って終わり”にせず、次のアクションにつなげたい方は、ぜひオノフまでお問い合わせください。